紀元前259年

紀元前259年は、共和政ローマにおいてルキウス・コルネリウス・スキピオとガイウス・アクィッリウス・フロルスが執政官を務めた年です。当時は、この執政官の名前で年が認識されていました。また、ローマ建国紀元495年とも呼ばれていました。しかし、中世初期に西暦（キリスト紀元）が普及してからは、紀元前259年という表記が一般的になりました。

この年は、東洋においても様々な出来事がありました。干支は壬寅で、日本では孝霊天皇32年、皇紀402年にあたります。中国では、周の赧王56年、秦の昭襄王48年、楚の考烈王4年、斉の斉王建6年、燕の武成王13年、趙の孝成王7年、魏の安釐王18年、韓の桓恵王14年でした。仏滅紀元では288年となります。

世界各地の出来事

セレウコス朝
セレウコス朝の王アンティオコス2世は、父が失った領土を回復するために、プトレマイオス2世に対して第二次シリア戦争を開始しました。アンティオコス2世は、プトレマイオス2世の侵攻を受けていたマケドニアのアンティゴノス2世と同盟を結びました。この戦争は、地中海東部地域における勢力争いを激化させる要因となりました。

シチリア
カルタゴの将軍ハミルカルは、シチリアでローマ軍に対して反撃を開始し、エンナを占領しました。ハミルカルはさらに南下し、シラクサにまで到達し、シラクサをカルタゴ側に戻るよう説得を試みました。この動きは、第一次ポエニ戦争におけるカルタゴの反撃を象徴する出来事でした。

中国
秦では、将軍白起が軍を三つに分け、王齕が趙の武安・皮牢を攻め落とし、司馬梗が北方の太原を平定し、上党の地を完全に占領しました。秦の昭襄王は、宰相の范雎の進言を受け入れ、韓が垣雍を、趙が6城を秦に割譲することで和睦しました。一方、趙の孝成王は、虞卿の意見に従い、斉に6城を割譲しました。秦のために趙で工作していた楼緩が逃亡する事件も発生しました。さらに、秦の昭襄王は、宰相范雎の仇である魏斉が趙の平原君のもとにいることを知り、趙の孝成王に圧力をかけ、平原君の邸宅を包囲させました。魏斉は虞卿と共に魏の信陵君に庇護を求めましたが、信陵君が受け入れを躊躇している間に魏斉は自殺しました。

その他の出来事

この年には、後の秦の始皇帝が誕生しています。

紀元前259年は、地中海世界から東アジアまで、各地で大きな出来事が立て続けに起こった激動の年でした。特に、シリア戦争や秦の勢力拡大は、後の歴史に大きな影響を与えることになります。この年の出来事を理解することは、当時の国際情勢を把握する上で非常に重要であると言えるでしょう。

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