紀元前27世紀

紀元前27世紀：世界各地で文明が花開いた時代

紀元前27世紀（西暦2700年から2601年）は、世界各地で文明が発展し、大きな変革が起きた時代です。メソポタミア、エジプト、インダス文明など、様々な地域で戦争や都市建設、そして壮大な建造物が作られました。この激動の100年間を詳しく見ていきましょう。

メソポタミアとエジプト：戦争と繁栄

メソポタミアでは、紀元前2900年から2334年にかけてシュメール都市国家間で激しい戦争が続きました。一方、エジプトでは紀元前2775年から2650年にかけて戦争が発生。これらの紛争は、それぞれの地域の政治構造や社会に大きな影響を与えたと考えられます。

この時代のエジプトでは、初期王朝時代が終わり、古王国時代へと移行しました。この転換期は、エジプト文明の新たな発展の幕開けを告げるものとなりました。紀元前2686年にはカーセケムの死後、第2王朝から第3王朝へと移行し、サナクトが支配を始めます。その後、ジェセル王の治世（紀元前2681-2662年頃）が始まり、宰相イムホテプによってサッカラに壮大な階段ピラミッドが建設されました。このピラミッドは、当時世界で最も高い建造物として知られ、エジプト文明の技術力の高さを示しています。

インダス文明：都市計画と高度な技術

インダス川流域では、紀元前2600年頃にインダス文明が統合期を迎えました。ハラッパーやモヘンジョダロといった大都市が形成され、2500以上の都市が存在したと推測されています。高度な都市計画に基づく下水処理システムや独自の文字（インダス文字）も存在しており、当時の文明レベルの高さがうかがえます。その広さは、東西1500km、南北1800kmに及び、エジプトとメソポタミアを合わせたよりも広い地域に広がっていました。シンド地方ではコト・ディジ文化が発展していました。スリランカのダンブッラでは、紀元前2750年から2600年にかけて人骨が発見された墓地遺跡が形成されました。

その他の地域：文明の変遷と新たな始まり

ザグロス山脈周辺では、原エラム期から古エラム期（エラム古王朝・アワン朝）に移行しました。『エンメルカルとアラッタ市の領主』の説話に登場する「アラッタ」は、この時代のエラムの首都であり、シャハダード遺跡に比定されています。シュメールではキシュが衰退し、ウルやウルクが繁栄しました。この時代の出来事を伝える物語として、『ギルガメシュとアッガ』の説話があります。一方、中国では黄帝紀元によると、紀元前2697年に黄帝が中原を統一し、中国文明が始まったとされています。

紀元前27世紀の人物たち

この時代を代表する人物としては、ウル第1王朝の創設者であるメスアンネパダ、ウルクの第4代王ギルガメシュ、エジプト第3王朝の初代ファラオであるジェセル、そしてエジプトの宰相イムホテプなどが挙げられます。また、エジプトの女性医学者メリト・プタハも重要な人物として知られています。

そして、最古の木

紀元前2700年頃には、現存する最古の木であるメトシェラが誕生し、中央アメリカではトウモロコシの栽培が始まりました。これらの出来事は、人類の生活に大きな変化をもたらしました。

まとめ

紀元前27世紀は、メソポタミア、エジプト、インダス文明を中心に、世界各地で文明が発展し、大きな変革が起きた時代でした。戦争や都市建設、壮大なピラミッドの建設、そして最古の木の誕生など、様々な出来事が起こり、現代社会に繋がる基礎が築かれた重要な時代と言えるでしょう。

もう一度検索