紀元前302年

紀元前302年は、共和政ローマにおいてはマルクス・リウィウス・デンテルとマルクス・アエミリウス・パウッルスが執政官に就任した年として記録されています。当時、ローマでは建国紀元が用いられていましたが、後世、西暦が普及するにつれて紀元前302年という表記が一般的になりました。

この年は、他の地域では様々な出来事がありました。干支では己未にあたり、日本では孝安天皇の時代、中国では周の赧王、秦の昭襄王の時代でした。

小アジア

小アジアでは、アンティゴノス1世に対する反撃が活発化しました。セレウコス1世はバビロニアから侵攻し、プトレマイオス1世はシリアを攻撃、リュシマコスは小アジア西部へ撤退しました。アンティゴノス1世の勢力下にあったフリギアの摂政ドキムスやリュキアの将軍フェニクスが彼を見限り、マケドニア王国の将軍フィレタイロスもアンティゴノス1世を裏切り、リュシマコスにつきました。フィレタイロスは、その見返りとしてリュシマコスからペルガモン王国の砦の守備を任され、莫大な財宝を管理することになりました。

ギリシア

ギリシアでは、アンティゴノス1世の息子デメトリオス1世がカッサンドロスの軍勢とテッサリアで激戦を繰り広げ、勝利を収めました。この勝利を機に、アンティゴノスとデメトリウスはヘレニズム同盟を再編し、スパルタ、メッシニア、テッサリアを除く全てのヘレニズム国家から大使がコリントに集まり、彼らを新しい同盟の守護者に選びました。しかし、アンティゴノス1世は敵の接近を察知し休戦を締結、デメトリウスが奪った戦利品は没収されました。デメトリウスは父を助けるためエフェソスへ向かいました。一方、亡命中のデメトリウスが反乱に加わり、エピロス王のピュロスは王位を追われるという出来事もありました。

中国

中国では、秦の昭襄王と魏の襄王、韓の太子韓嬰が臨晋で会談しました。韓嬰は咸陽を訪問後、帰国しました。秦は魏に蒲阪の地を返還しました。しかし、楚の太子横が秦の大夫を殺害して楚に逃亡したことで、秦と楚の両国関係は悪化しました。

誕生と死去

この年には、後に秦の王となる孝文王が誕生しました。一方、この年に亡くなった人物についての記録はありません。

この紀元前302年は、各地で様々な出来事が起こり、後の歴史に大きな影響を与えることになりました。

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