紀元前382年

紀元前382年は、ローマ暦における年であり、当時のローマでは「クラッスス、ムギラヌス、コルネリウス、フィデナス、カメリヌス、マメルキヌスが執政武官に就任した年」として記録されていました。また、ローマ建国紀元では372年とも数えられますが、一般的に広く用いられるのは、キリスト紀元を基準とする紀元前382年という表記です。中世初期以降、ヨーロッパで西暦が普及したことにより、この紀年法が広く用いられるようになりました。

各地の紀年法

この年は、他の地域や文化圏では異なる紀年法が用いられていました。以下に、その一例を示します。

干支: 己亥
日本:
皇紀279年
孝安天皇11年
中国:
周 - 安王20年
秦 - 献公3年
晋 - 孝公7年
楚 - 悼王20年
斉 - 康公23年
田斉 - 斉侯剡3年
燕 - 簡公33年
趙 - 敬侯5年
魏 - 武侯14年
韓 - 文侯5年
朝鮮: 檀紀1952年
ベトナム: (仏滅紀元) 163年
ユダヤ暦: (該当年の情報なし)

出来事

この年には、古代ギリシアで重要な出来事がありました。

ギリシア:
テーバイの将軍であり政治家でもあったペロピダスが、アテナイに逃亡し、スパルタの支配下にあったテーバイを解放するための運動を始めました。ペロピダスは、テーバイの独立回復に向けて重要な役割を果たしました。
前年のテーバイ占拠事件で、独断で行動したことが問題視されたポイビダスは、指揮官の任を解かれました。しかし、スパルタはテーバイの占領を継続しました。スパルタ王アゲシラオス2世は、ポイビダスの行動がスパルタにとって利益をもたらしたため、その行動は国益に資するか否かで判断すべきだと主張し、ポイビダスを処罰することに反対しました。これは、当時のスパルタにおける政治的判断の一端を示す事例と言えるでしょう。

誕生

紀元前382年には、後に歴史に名を残す人物が誕生しています。

ピリッポス2世: マケドニア王。アレクサンドロス3世（大王）の父。（+ 紀元前336年）
アンティゴノス1世: アレクサンドロス3世（大王）配下の将軍で、アンティゴノス朝の開祖。（+ 紀元前301年）

死去

この年に死去した人物に関する記録は見当たりませんでした。

関連情報

年の一覧
年表
年表一覧


この年、紀元前382年は、古代世界において様々な出来事が起こった年でした。特にギリシアにおいては、後の歴史を左右する重要な人物の誕生と、政治的動乱が見られた年として記録されています。

もう一度検索