紀勢町

紀勢町の概要

紀勢町（きせいちょう）は、三重県度会郡にかつて存在した町で、南勢地域に位置しています。松阪市から南西に約60kmの距離にありました。紀勢町は1957年に誕生し、2005年に合併により大紀町となって廃止されました。ここでは、その地理的特徴や歴史、経済など、紀勢町の詳細を探ります。

地理

紀勢町は、いくつかの河川に囲まれており、主な川として大内山川、三ヶ野川、横谷川、奥川があります。また、町は多気郡の宮川村や、度会郡の南島町、大宮町、大内山村、北牟婁郡の紀伊長島町と隣接していました。海に面した錦港はリアス式海岸の美しい天然良港であり、漁業や観光の基盤となっていました。

歴史

紀勢町の町名は、旧・柏崎村が伊勢国に属し、旧・錦町が紀伊国に属していたことに由来しています。そのため、紀伊の「紀」と伊勢の「勢」が組み合わさった合成地名です。

沿革

• - 1957年（昭和32年）2月1日：度会郡の柏崎村と北牟婁郡の錦町が合併し、紀勢町が成立しました。
• - 2005年（平成17年）2月14日：大宮町、大内山村と合併して大紀町が成立し、紀勢町は廃止されました。

行政

紀勢町の町長は谷口友見氏が務めており、1994年から2005年までの間に町を統治していました。彼の下で、町の発展と住民の福祉について多くの取り組みが行われました。

経済

漁業

ニシキ港ではブリ漁や磯釣りが盛んで、多くの漁師たちが活動していました。港は地元の重要な生計源であり、海の恵みが地域経済に大きく貢献していました。

娯楽施設

紀勢町には、いくつかの映画館がありました。1960年代には16館を数え、地元住民に文化的な娯楽を提供していました。例えば、うしを座、春風劇場、柏崎劇場などがその例です。

原発建設計画

1963年、中部電力が紀勢町と南島町にまたがる芦浜で原子力発電所の立地計画を発表しました。町内では推進派と反対派が対立し、住民の意見が分かれる中で議論が続きました。最終的には2000年に計画が中止されるまで、地域の政策に大きい影響を与えました。

教育

紀勢町には、紀勢町立大紀中学校や紀勢町立錦小学校が設置されており、地域の子供たちの教育が行われていました。教育機関は地域の発展に欠かせない基盤として機能していました。

交通

紀勢町へのアクセスは、鉄道や高速道路、一般国道など、さまざまな交通手段が整備されていました。紀勢本線の伊勢柏崎駅や紀勢自動車道の紀勢大内山ICなどが主要な交通の要所でした。

出身有名人

紀勢町出身の有名人には、タレントの小倉久寛氏がいます。彼は地域の文化の一端を担う存在ともなりました。

まとめ

紀勢町はその自然の豊かさや歴史的背景、そして住民の営みにより、多くの特徴を持っていた町でした。しかし、2005年に大紀町として新たな形に変わりました。今でもその豊かな自然や文化の跡が残っており、地域の名残を感じられる場所となっています。

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