紀広浜

紀広浜について

紀広浜（きのひろはま）は、平安時代の初期に活躍した貴族であり、父である大納言・紀古佐美の影響を受けて成長しました。彼は官位で正四位下・参議という高位に達し、その経歴と活躍が注目されています。以下では、彼の経歴、官歴、系譜について詳しく説明します。

経歴

紀広浜は延暦14年（795年）に長門介に任命され、この時期から彼の政治キャリアが始まります。その後、延暦16年（797年）に父の紀古佐美が亡くなった直後、少判事に遷任され、さらに式部大丞や勘解由判官といった京での重要な役職を務めました。この頃には官位として従五位下・肥後守に叙任されるなど、徐々にその地位を確立していったのです。

平城朝が始まると、紀広浜は急速に重用されることになります。大同2年（807年）には正五位下及び右中弁に任じられ、その翌年には従四位下に昇進します。大同4年（809年）頃には畿内観察使に任ぜられ、公卿の仲間入りを果たします。大同5年（810年）には観察使制度の廃止に伴い参議に昇進し、右大弁と大学頭を兼任する立場となりました。

その後嵯峨朝においても彼は議政官としての役割を果たし、右大弁・右兵衛督など、文武にわたる多くの官職を兼ねました。弘仁6年（815年）には従四位上に叙せられる一方で、弘仁7年（816年）には大宰大弐をも担当することになり、その政界における影響力は増す一方でした。さらに、弘仁3年（812年）には、日本最古の歴史書である『日本書紀』の講義に参加し、その知識を広めることにも貢献しました。最終的に、彼は弘仁10年（819年）に正四位下まで昇進し、同年7月2日に61歳で亡くなりました。彼の最後の官職は参議であり、大宰大弐も兼任していました。

官歴

紀広浜の官歴は以下の通りです。

• - 延暦14年（795年）2月8日：長門介
• - 延暦16年（797年）日付不詳：少判事、6月6日：式部大丞、9月4日：勘解由判官
• - 延暦18年（799年）5月7日：従五位下、肥後守
• - 延暦24年（805年）6月19日：従五位上
• - 大同2年（807年）2月3日：正五位下、2月29日：右中弁、9月16日：兼内蔵頭
• - 大同3年（808年）正月25日：従四位下、7月：左京大夫、8月22日：兼美濃守、11月27日：右京大夫
• - 大同4年（809年）9月19日：畿内観察使
• - 大同5年（810年）正月11日：兼上野守、4月16日：左京大夫、6月10日：停観察使、8月15日：右大弁、8月21日：兼大学頭、9月10日：参議
• - 弘仁2年（811年）6月1日：兼右兵衛督
• - 弘仁6年（815年）正月7日：従四位上、4月8日：賜田10町
• - 弘仁7年（816年）正月10日：兼大宰大弐
• - 弘仁10年（819年）正月7日：正四位下、7月2日：卒去（参議正四位下行大宰大弐）

系譜

紀広浜の家系についても触れておきます。彼の父は紀古佐美であり、母については記録が残っていません。子供には、紀善峯（?-837）と紀長江（大宰大弐・従四位上）がいます。

彼の生涯は、平安時代の政治における貴族の力を象徴するものであり、彼の業績はその後の時代にも影響を与えたことでしょう。その多彩な政治活動と昇進の軌跡は、歴史的な興味を引く要素となっています。

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