紙屋町停留場

紙屋町停留場について

広島電鉄の路面電車の一つ、紙屋町停留場（かみやちょうていりゅうじょう）は、広島県広島市中区基町に位置し、駅番号はM9です。この停留場は広島駅前から市中心部を経由し、広電西広島駅までを結ぶ本線と、さらに市内部から南へ向かって広島港へ運行する宇品線の接続点となっています。特筆すべきは、宇品線がこの停留場を起点としている点です。

停留場は広島市を走る主要な道路である相生通りと鯉城通りが交差する位置に設けられており、繁華街の中に位置しています。この交差点には東西それぞれに乗降場があり、東側は「紙屋町東停留場」、西側は「紙屋町西停留場」と名付けられていますが、正式には両者を合わせて「紙屋町停留場」と呼ばれています。一般的な旅客案内でもこうした名称が使われており、駅番号も共通の「M9」が付けられています。

歴史

紙屋町停留場は1912年（大正元年）11月23日に開業しました。この日、本線と宇品線の2つの路線が同時に開通し、停留場も設立されました。当初は本線と宇品線の線路が交差するデルタ線の中央に乗り場が設けられ、鉄道信号機も備わる予定でしたが、工事の遅れにより本線の営業開始は12月8日まで待たなければなりませんでした。

1945年、広島に原爆が投下され、この結果、市内線は全線で運行が停止しましたが、本線は1945年9月に徐々に復旧を果たしました。宇品線もその後、1946年には運行を再開し、同年には両線で直通運転が再び始まりました。2001年には、情報のわかりやすさを考慮し、乗降場の名称がそれぞれ「紙屋町東」と「紙屋町西」に変更されました。

停留場の構造

紙屋町停留場は相対式ホームを持ち、東西に向かう本線の線路の横にそれぞれ2面のホームが設置されています。南側には宇品線が接続しており、停留場はこれらの路線を結ぶ重要な役目を果たしています。また、全体の設計は、長い信号待ちに対応するためのもので、複数の車両が同時に停車することも可能です。地下には紙屋町シャレオがあり、停留場と直結しています。

周辺環境

紙屋町の交差点は、広島市内で重要な交通の結節点であり、金融機関も多く立ち並びビジネス街の中心となっています。広島城外堀と西堂川が埋め立てられ、停留場の開業とともにこの地域の発展が始まりました。交通の便が良く、現在では各方面から多くの人々が行き交う繁華街となっています。

近隣には.Aストラムラインの県庁前駅、広島県庁舎、市立病院、広島バスセンター、そごう広島店などがあり、南側にも多くの商業施設や金融機関が集まっています。これらの建物はすべて停留場からアクセス可能であり、広島市の中心であることを物語っています。

紙屋町停留場は、今後も広島市の交通の要所として、重要な役割を果たし続けることでしょう。

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