細沢山合戦

備後細沢山合戦について

備後細沢山合戦（びんごほそさわやまがっせん）は、戦国時代における重要な戦いとして知られています。この合戦は、備後の守護代である山名忠勝が、大内氏の支援を受けて展開し、伯耆国を支配しようとした尼子経久との間で発生しました。特に毛利元就がこの戦争に関与し、尼子氏に対抗する姿勢を示したことも注目されます。

合戦までの経緯

1527年、尼子軍は牛尾幸清、湯原久晴、河副久盛などの武将が集結し、備後の三次盆地に駐留しました。そうした状況の中、大内家の支援を受けている山名忠勝は、南天山城の和智豊郷や旗返山城の江田隆連といった家臣たちを支配下に置くことに成功しました。また、毛利元就は当時、密かに大内方に通じており、上山広信を巧みに調略して大内に取り込んでいました。

尼子軍は、備後細沢山に砦を築くことになりますが、備後甲山城を本拠とする山内直通は、何らかの理由から合戦に参加しないことを決め、尼子軍は甲山城を包囲する事態に発展しました。このような内外の状況が複雑に絡み合い、合戦への緊張感が増していきます。

合戦の進展

合戦が始まると、毛利家臣である赤川元保や備後青掛山城の主である赤川右京亮らがニ子軍に向けて奇襲攻撃を仕掛けました。この攻撃により、尼子軍は追撃を受け、志道広良や上山広信の手によって包囲されることとなります。特に、湯原久晴が討死するという大きな損失を被ったことで、尼子軍は焦りを感じ、撤退を余儀なくされました。

その後、尼子経久自身が備後に現れ、ハチヶ壇城を築いて本陣としましたが、戦局が膠着し、持続的な戦闘が困難であると判断した尼子経久は、山名・大内軍と和議を結ぶ道を選びました。こうして尼子軍は出雲へと撤退することになります。

合戦の影響

この合戦の結果、数名の武将が大内方に降伏し、大内氏は備後国の大部分を領土として獲得します。この出来事により、尼子経久が目指していた支配権は一時的に衰退し、戦国時代における勢力図が大きく変化することとなりました。備後細沢山合戦は、単なる戦闘に留まらず、武士たちの動向や地政学的な影響をも含めて、当時の日本の歴史に深い足跡を残すことになります。

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