結城城

結城城の歴史と構造

結城城（ゆうきじょう）は、茨城県結城市に存在した日本の城で、特に室町時代には結城合戦の重要な戦場として知られています。また、江戸時代においては結城藩の藩庁が設置された場所でもあります。現在、この城は結城市指定の史跡として指定されています。

概要

結城城の起源は、養和元年（1181年）にまで遡ります。この年、下野国小山の大掾政光の四男である結城朝光が志田義広の乱の制圧の功により、結城郡の地頭職に任命されました。朝光はその地に城を築き、これが結城城の始まりとなります。その後、結城氏は室町時代までこの城を拠点に活動します。しかし、永享12年（1440年）には永享の乱が勃発し、結城氏は幕府に反旗を翻しました。この反乱では、結城氏の当主たちが幕府軍に抗戦しましたが、嘉吉元年（1441年）に城が陥落し、結城氏は一時的に没落します。

文安4年（1447年）、足利成氏が鎌倉公方の再興を認められ、結城の旧領に戻った氏朝の四男・成朝が再び結城城に入りました。その後、結城城は江戸時代初頭まで結城氏の居城として利用されましたが、小田原征伐後に結城家は徳川家康の子供である秀康を養子として迎えます。関ヶ原の戦いの後、秀康が越前に移封されると、結城の地は天領となり、結城城は廃城となりました。

廃城の際、徳川家康の命によって結城城の御殿などの建物が埼玉県鴻巣市の勝願寺に移築され、「結城御殿」と呼ばれるようになります。その中には、将軍が訪れる際に使用された大方丈「金の間」と小方丈「銀の間」があり、各部屋には家康の像や秀康の念持仏が安置されました。また、結城城下にあった鐘も移されました。

元禄13年（1700年）、水野家宗家筋の水野勝長が結城に移封され、以降明治維新まで水野氏がこの地を治めることになります。また、元禄16年（1703年）には結城城の再興が許可され、新たな城の建設が始まりました。しかし、戊辰戦争の際には佐幕派が城を占拠したため、新政府軍の攻撃を受け、多くの建物が焼失することになりました。

歴史・沿革

• - 1181年 (養和元年): 結城朝光が地頭職に任命される。
• - 1183年 (寿永2年): 結城城の築城が始まる。
• - 1440年 (永享12年): 結城氏が室町幕府に反旗を翻し、結城合戦が勃発。
• - 1441年 (嘉吉元年): 結城城が落城、結城氏は討ち死にする。
• - 1447年 (文安4年): 成朝が結城に復帰し、城に入る。
• - 1590年 (天正18年): 小田原征伐に伴い、結城氏の地位が安定する。
• - 1601年 (慶長6年): 秀康の移封に伴い、結城城は廃城化。
• - 1700年 (元禄13年): 水野勝長が結城に移封。
• - 1703年 (元禄16年): 結城城の再築が開始される。
• - 1868年 (慶応4年): 佐幕派が城を占拠、新政府軍に攻撃されて落城。
• - 1964年 (昭和39年): 市指定文化財として選ばれる。

構造

結城城は北側に田川が流れ、東側に深田が入り込む台地の北東端に位置しています。西と南には田川の旧河道を利用した堀が設けられ、台地との間を隔てています。城域内部は、大きく四つの郭に分かれています。これには北東端の実城、西側の西舘、南の中城、及び南側の東館が含まれており、各郭間には深い堀が存在し、全体的に整然とした構造になっています。

現在、結城城の遺構は公園や宅地として開発されており、保存状態は良好とは言えませんが、実城の西から南及び中城南西部には空堀が残っています。また、水堀の跡も見受けられ、この城の歴史的価値を感じさせる重要な空間となっています。

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