結晶 SOUL LIBERATION
『結晶 SOUL LIBERATION』は、1992年5月1日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされた、ORIGINAL LOVEの3枚目のオリジナルアルバムです。
本作は、メンバーチェンジを経て、バンドサウンドを一新した状態で制作されました。過去のライブで演奏されていた楽曲は一切含まれず、新たなメンバー構成を前提に書き下ろされた楽曲で構成されています。
アレンジ面では、ベース、ドラムス、コード楽器、サックスのみというシンプルな構成にこだわり、各楽器のグルーヴ感を最大限に引き出すことを目指しました。歌詞は、田島貴男が自身の周囲の人々の変化を題材に書き下ろしており、当時の社会状況や人々の心理状態を反映した内容となっています。田島自身も、「自分の周りの人たちの心の中に変化が起こってきた」と語っており、その変化を作品に投影したと述べています。
音楽評論家の萩原健太は、本作をアシッド[[ジャズ]]の影響を色濃く反映した作品と評しており、特に1960年代後半から1970年代にかけてのマイルス・デイヴィスのモダンジャズからの影響を指摘しています。一方で、ジャズに傾倒するだけでなく、当時のクラブシーンで流行していたジャズの要素を取り入れつつ、「粋なポップス」を構築したと分析しています。また、ビート感覚も従来のジャズとは異なり、ヒップホップのビートをバンド演奏で実現しようとする試みだと述べています。これらの要素が組み合わさった結果、サウンド全体のトーンはダークなものになっていると評しています。
アルバムタイトル『結晶』には、「愛の結晶」といった固定的な意味ではなく、「常に変化する“何か”」や「成長する結晶」といった、生命力や変化を象徴する意味が込められています。田島は、このアルバムが日記のようなものであり、生活の中で感じたことを素直に表現したものであると語っています。
アルバムに先駆けて、「月の裏で会いましょう Let's go to the darkside of the moon」と「ヴィーナス」がシングルカットされました。「月の裏で会いましょう」はフジテレビ系テレビドラマ『バナナチップス・ラヴ』のオープニングテーマ、「ヴィーナス」はブティックJOYのCMソングとしてそれぞれ使用されました。アルバム収録曲である「ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ」は、先行して12インチレコードがリリースされています。
アルバムはオリコンアルバムチャートで最高10位を記録し、2013年にはレコード会社15社合同キャンペーン「大人の音楽～Age Free Music～」の「もう一度聴きたいオリジナルアルバム 80年代＆90年代」に選ばれました。
また、過去に何度か再リリースされており、2007年には24ビットデジタルリマスタリングと紙ジャケット仕様で再リリースされた際、ボーナストラックとして「月の裏で会いましょう (Single Version)」と「ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ (Tajima Takao Mix)」が追加収録されています。2016年にはLPレコードでもリリースされ、ジャケットにはCDリリース時に差し替えられた幻のオリジナルデザインが採用されました。2021年にはデビュー30周年記念としてLPレコード版が再リリースされています。
アートディレクターの信藤三雄は、アルバムタイトルである「結晶」という文字を、秋吉敏子のアルバムからインスピレーションを得たと語っています。筆文字で漢字を入れたのはこれが初めてであり、「毎回一つくらい新しいことを取り入れたい」という自身のモットーを反映させたデザインです。また、バンドメンバー全員でのショットは東芝EMIスタジオ・テラで撮影されました。
音楽情報サイト『CDジャーナル』は、ORIGINAL LOVEのサウンドを山下達郎に例えつつ、「ROCK＋JAZZをニューウェイヴな味つけにした、なにやらおシャレで新鮮な音」と評し、田島貴男の感性を高く評価しています。また、『レコード・コレクターズ』誌の特集「90年代の邦楽アルバム・ベスト100」では95位に選出され、「渋谷系の流れを受け継ぐ今のシティ・ポップと呼称される音楽の源流」と評されています。『TOWER RECORDS ONLINE』では、本作を「前作からの参加メンバーとのグルーヴ感も最高潮になったセカンドアルバム」と位置付け、アシッド[[ジャズ]]の流行を先取りしたリズムと和製ロックの融合を評価し、信藤三雄のアートワークとともにレトロモダンなオリジナリティを確立したと評しています。
1. 結晶
2. 月の裏で会いましょう (Album Version)
3. ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ (Album Version)
4. スクランブル
5. 愛のサーキット
6. 心理学
7. ディア・ベイビー
8. 砂漠のバラ
9. ヴィーナス
10. ムーンライト
田島貴男：ボーカル、ギター
村山孝志：ギター
木原龍太郎：キーボード
森宣之：サックス
宮田繁男：ドラムス
井上富雄：ベース
花田裕之：ギター
斎藤ネコ：ヴァイオリン
ユンケル鼻血：パーカッション
三沢またろう：コンガ
ASA-CHANG：パーカッション
真城めぐみ：コーラス
本作は、ORIGINAL LOVEの音楽性の幅広さと、時代を捉える感性の高さを示した重要な作品であり、多くの音楽ファンから愛され続けています。
制作背景と音楽性
本作は、メンバーチェンジを経て、バンドサウンドを一新した状態で制作されました。過去のライブで演奏されていた楽曲は一切含まれず、新たなメンバー構成を前提に書き下ろされた楽曲で構成されています。
アレンジ面では、ベース、ドラムス、コード楽器、サックスのみというシンプルな構成にこだわり、各楽器のグルーヴ感を最大限に引き出すことを目指しました。歌詞は、田島貴男が自身の周囲の人々の変化を題材に書き下ろしており、当時の社会状況や人々の心理状態を反映した内容となっています。田島自身も、「自分の周りの人たちの心の中に変化が起こってきた」と語っており、その変化を作品に投影したと述べています。
音楽評論家の萩原健太は、本作をアシッド[[ジャズ]]の影響を色濃く反映した作品と評しており、特に1960年代後半から1970年代にかけてのマイルス・デイヴィスのモダンジャズからの影響を指摘しています。一方で、ジャズに傾倒するだけでなく、当時のクラブシーンで流行していたジャズの要素を取り入れつつ、「粋なポップス」を構築したと分析しています。また、ビート感覚も従来のジャズとは異なり、ヒップホップのビートをバンド演奏で実現しようとする試みだと述べています。これらの要素が組み合わさった結果、サウンド全体のトーンはダークなものになっていると評しています。
アルバムタイトル『結晶』には、「愛の結晶」といった固定的な意味ではなく、「常に変化する“何か”」や「成長する結晶」といった、生命力や変化を象徴する意味が込められています。田島は、このアルバムが日記のようなものであり、生活の中で感じたことを素直に表現したものであると語っています。
リリースとチャート成績
アルバムに先駆けて、「月の裏で会いましょう Let's go to the darkside of the moon」と「ヴィーナス」がシングルカットされました。「月の裏で会いましょう」はフジテレビ系テレビドラマ『バナナチップス・ラヴ』のオープニングテーマ、「ヴィーナス」はブティックJOYのCMソングとしてそれぞれ使用されました。アルバム収録曲である「ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ」は、先行して12インチレコードがリリースされています。
アルバムはオリコンアルバムチャートで最高10位を記録し、2013年にはレコード会社15社合同キャンペーン「大人の音楽～Age Free Music～」の「もう一度聴きたいオリジナルアルバム 80年代＆90年代」に選ばれました。
また、過去に何度か再リリースされており、2007年には24ビットデジタルリマスタリングと紙ジャケット仕様で再リリースされた際、ボーナストラックとして「月の裏で会いましょう (Single Version)」と「ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ (Tajima Takao Mix)」が追加収録されています。2016年にはLPレコードでもリリースされ、ジャケットにはCDリリース時に差し替えられた幻のオリジナルデザインが採用されました。2021年にはデビュー30周年記念としてLPレコード版が再リリースされています。
アートワーク
アートディレクターの信藤三雄は、アルバムタイトルである「結晶」という文字を、秋吉敏子のアルバムからインスピレーションを得たと語っています。筆文字で漢字を入れたのはこれが初めてであり、「毎回一つくらい新しいことを取り入れたい」という自身のモットーを反映させたデザインです。また、バンドメンバー全員でのショットは東芝EMIスタジオ・テラで撮影されました。
評価
音楽情報サイト『CDジャーナル』は、ORIGINAL LOVEのサウンドを山下達郎に例えつつ、「ROCK＋JAZZをニューウェイヴな味つけにした、なにやらおシャレで新鮮な音」と評し、田島貴男の感性を高く評価しています。また、『レコード・コレクターズ』誌の特集「90年代の邦楽アルバム・ベスト100」では95位に選出され、「渋谷系の流れを受け継ぐ今のシティ・ポップと呼称される音楽の源流」と評されています。『TOWER RECORDS ONLINE』では、本作を「前作からの参加メンバーとのグルーヴ感も最高潮になったセカンドアルバム」と位置付け、アシッド[[ジャズ]]の流行を先取りしたリズムと和製ロックの融合を評価し、信藤三雄のアートワークとともにレトロモダンなオリジナリティを確立したと評しています。
収録曲
1. 結晶
2. 月の裏で会いましょう (Album Version)
3. ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ (Album Version)
4. スクランブル
5. 愛のサーキット
6. 心理学
7. ディア・ベイビー
8. 砂漠のバラ
9. ヴィーナス
10. ムーンライト
主な参加ミュージシャン
田島貴男：ボーカル、ギター
村山孝志：ギター
木原龍太郎：キーボード
森宣之：サックス
宮田繁男：ドラムス
井上富雄：ベース
花田裕之：ギター
斎藤ネコ：ヴァイオリン
ユンケル鼻血：パーカッション
三沢またろう：コンガ
ASA-CHANG：パーカッション
真城めぐみ：コーラス
本作は、ORIGINAL LOVEの音楽性の幅広さと、時代を捉える感性の高さを示した重要な作品であり、多くの音楽ファンから愛され続けています。
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