綱附森

綱附森（つなつきもり）

綱附森は、徳島県三好市と高知県香美市の境界近くにそびえる美しい山で、標高は1,643.1メートルです。この山は、四国百名山に選定されており、その存在感は地域の自然や登山愛好家にとって重要な位置を占めています。

地理的特徴

この山は天狗塚の南方約3キロメートル、三嶺の南西に位置し、旧三好郡東祖谷山村（現在の徳島県三好市）と香美郡物部村（現在の高知県香美市）との境界となっています。明治初年には、山麓の集落名に由来して「谷道山」と呼ばれ、一時期「綱附山」という名前でも知られていましたが、昭和時代に入ると現在の「綱附森」という名前で定着しました。

自然環境

綱附森の特徴的な点は、登山の対象としてはあまり知られておらず、そのため原生林が保護されていることです。登山者が少ないため、自然環境はほぼ手つかずの状態で残されており、特に北面にはブナを中心とした広葉樹の原生林が広がっています。

山頂付近ではササが繁茂しており、独特の生態系が形成されています。綱附森は、徳島県内では珍しいオオヤマレンゲが自生していることでも知られています。また、ケンザンデンダやミヤマウラボシ、クジャクシダ、エビラシダ、そしてチチブホラゴケなど、多くの希少な植物が生息しています。これらの植物は、この地が持つ豊かな生態系の一部を築いています。

アクセスと周辺環境

綱附森へのアクセスは、周辺の市町からの交通手段を利用して可能ですが、登山道は整備されておらず、未舗装の部分が多いため、登山には一定の準備と技術が必要です。周囲には他の名山も点在し、山々を結ぶハイキングコースも存在するため、植物観察や登山を楽しむ方々にとって、魅力的なスポットとなっています。

まとめ

このように、綱附森はその高さや特異な環境、さらに多くの希少な植物が生息する場として、自然愛好家や登山者にとって特別な場所です。周囲の自然環境を享受しながら、静寂に包まれた時間を過ごすには絶好のスポットと言えるでしょう。自然の美しさと歴史的な背景をもつこの山は、訪れる人々に新たな発見をもたらしてくれます。

参考文献

• - 『角川日本地名大辞典 36 徳島県』（1986年 ISBN 4-04-001360-3）

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