綾川五郎次 (初代)

綾川五郎次について

綾川五郎次（あやがわ ごろうじ）は、1703年に下野国（現在の栃木県）で生まれたとされる大相撲力士です。彼は第2代横綱に位置づけられており、その存在は相撲界において重要な意味を持っています。横綱力士碑には彼が享保2年（1717年）に大関に昇進したと記されていますが、これについては明確な証拠はなく、実際には寛保年間（1741年－1744年）に力士としての活動が記録されています。

綾川は、寛保3年（1743年）5月に大阪の堀江で行われた興行に出場し「東小結」として参加し、さらには京都の二条河原での興行では「西関脇」としても名を馳せました。この興行では、当時無敵を誇った阿蘇ヶ嶽桐右衛門を破るという大きな成果を上げ、観客から「綾川さま、綾川さま」と称賛されることとなりました。

彼は江戸相撲の力士でありながら、京都と大阪相撲でも広く知られ、人気を博しました。彼の記録には、小結や関脇としての出場が残されていますが、大関として出た証拠は見つかっていません。それにも関わらず、綾川は歴代の横綱として位置づけられています。その理由は、1789年に横綱免許を授与した際の書類に「過去に綾川と丸山という者に免許を与えたが、記録は火災で失われた」との記載があったからです。この一文が、彼に横綱としての地位を与える根拠となっています。

2020年時点では、綾川は明石志賀之助に続く第2代横綱とされていますが、彼らは「伝説上の横綱」と見なされることが一般的です。初代の明石志賀之助が実在したかどうかも疑問視される中で、綾川の存在についても多くの議論があります。実際に、横綱の系譜である2代目・丸山権太左衛門が早くから生まれていたことから、綾川を2代目として位置づけるのではなく、丸山を2代目、綾川を3代目と考える見解もあります。しかし、丸山が生まれた年から推測すると、綾川が大関に昇進した1717年にはまだ幼少だったことが明らかになり、この先の展開から綾川を2代目と考えるのがより自然です。

世代を超えた相撲の歴史の中で、綾川五郎次の名は知名度が高く、彼の功績や相撲界への影響は今なお語り継がれています。相撲という日本の伝統文化の中で、彼の存在は重要な一ページとなっています。

関連項目

• - 大相撲力士一覧
• - 横綱一覧
• - 雲龍久吉 - 綾川らを代数に加えたとされている
• - 横綱力士碑 - 綾川を2代目としている

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