綾里崎

綾里崎（りょうりざき）

概要

綾里崎は、岩手県大船渡市三陸町綾里に位置する、三陸リアス式海岸を代表する岬の一つです。この岬は、先端の標高が約300m、中間地点にある立石山の標高が354mで、全長約5kmに及ぶ雄大な地形を誇ります。

岬の先端には、航海の安全を守る綾里埼灯台が設置されています。また、立石山の中腹には、気象庁の大気環境観測所があり、地球規模での環境観測に重要な役割を果たしています。

牡鹿半島の金華山から北方約100kmに位置するこの岬は、南三陸近海の航行における重要な目印となっています。

地理

綾里崎周辺の海域は、水深が約40mから200mと深く、岩礁も存在するため、航行には注意が必要です。過去には、座礁や沈没事故も発生しています。

1896年（明治29年）の明治三陸地震の際には、綾里湾が東向きのV字型の入り江であったため、津波が集中し、最大で38.2mという記録的な津波高を観測しました。

綾里埼灯台

岬の先端に位置する綾里埼灯台は、航海の安全に重要な役割を果たしています。

気象庁大気環境観測所（旧：気象ロケット観測所）

1970年（昭和45年）4月、気象庁によって開設された気象ロケット観測所が、この場所の観測の歴史の始まりです。1976年には、WMO（世界気象機関）の大気バックグランド汚染地域観測所として、降塵の化学成分の観測を開始しました。

1987年からは、WMO/GAW（全球大気監視計画）の一環として、大気中の二酸化炭素の定常的な観測が始まりました。1990年には、オゾン層破壊物質、紫外線、温室効果ガスの観測も開始され、地球環境の変化を捉えるための重要な拠点としての役割を担ってきました。

気象ロケットの観測は、2001年（平成13年）3月21日までに1119回行われ、2002年3月には気象ロケット観測所の名称が廃止されました。

現在は、WMOが推進する全球大気監視計画（GAW）に基づき、温室効果ガスやオゾンなどの観測を継続しており、地球環境の変動を監視する重要な役割を担っています。

大気環境観測所の位置は、北緯39度02分、東経141度50分、海抜260mです。

指定

綾里崎周辺は、鳥獣保護区および銃猟禁止区に指定されており、豊かな自然が保護されています。

関連施設

綾里駅
綾里小学校
綾里海水浴場
綾里埼灯台
大気環境観測所（旧名：気象ロケット観測所）

交通

三陸縦貫自動車道：綾里IC
国道45号：綾里方面
岩手県道9号大船渡綾里三陸線：綾里港から観測所まで約7km、綾里埼灯台まで約10km、一周約20km
* 三陸鉄道リアス線：陸前赤崎駅 - 綾里駅 - 恋し浜駅

その他

綾里崎は、車で一周することが可能ですが、観測所付近までは舗装されています。立石山の山頂は雑木林となっています。

大気環境観測所付近からは、碁石海岸、黒崎仙境、広田崎、唐桑半島などの景勝地を見渡すことができ、まれに牡鹿半島や金華山まで望むことができます。

脚注

世界気象機関（WMO）全球大気監視計画（GAW）
大船渡市体育協会
綾里漁港
綾里漁業協同組合
大船渡市漁業協同組合
国土地理院地図閲覧:綾里1/25,000

もう一度検索