緒方章

緒方章（おがた あきら）は、1887年10月26日に生まれ、1978年8月22日に没した、日本の著名な薬学者です。東京大学の名誉[[教授]]であり、薬学博士の学位を有しています。彼は、日本の内分泌科学の創始者として知られ、国内の薬学と薬業の発展に多大な貢献をしました。また、幕末に活躍した蘭方医、緒方洪庵の孫としても知られています。

生い立ちと学歴

緒方章は、緒方洪庵の次男である緒方惟準を父に、佐藤泰然の孫である吉重を母に持ち、恵まれた環境で育ちました。1912年には東京帝国大学医科大学薬学科を卒業し、長井長義に師事しました。その後、1919年に学位を取得すると、ベルリン大学へ留学し、実験薬理学の研究に没頭しました。

研究活動と業績

1920年、緒方章は東京帝大医学部の助[[教授]]に就任し、1930年には教授として新設された臓器薬品化学講座を担当しました。1948年に東京大学を退官し、名誉[[教授]]となりました。

緒方章は、甲状腺ホルモンの研究に力を注ぎ、特に兄の緒方知三郎とともに、ウシの耳下腺から唾液腺ホルモンであるパロチンを単離・製品化することに成功しました。この業績は、内分泌学の発展に大きく貢献しました。

また、1919年には、メタンフェタミン（ヒロポン）の結晶化に成功するなど、薬学分野における基礎研究でも重要な成果を上げています。

社会的活動

緒方章は、研究活動だけでなく、中央薬事審議会会長、日本[[薬学会]]会頭、日本薬剤師会会長、内分泌学会会長など、数多くの要職を歴任しました。これらの役職を通じて、日本の薬学、薬業の発展に大きく貢献しました。

晩年

晩年まで、緒方章は薬学の発展に尽力し、後進の育成にも力を注ぎました。彼の業績は、今日の薬学研究の基礎となり、多くの研究者に影響を与え続けています。

参考資料

• - 緒方章 『日本大百科全書』小学館 2001年
• - 緒方章 『講談社　日本人名大辞典』講談社 2001年
• - 緒方章 『人物リファレンス辞典（日本編）』日外アソシエーツ
• - 久保文苗「緒方章先生を悼む」『ファルマシア』第14巻第12号、公益社団法人日本[[薬学会]]、1978年12月1日

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