縦走

縦走とは、登山における一つのスタイルであり、一般的には、ある山の山頂に到達した後、下山せずにそのまま次の山へと向かう登山方法を指します。必ずしも山頂に立つことに重点を置かず、尾根伝いに歩き続けるルートも縦走とみなされます（トラバース）。

縦走では、山を下りてから再び登り返すといった行為を繰り返すことが多いため、一つの山頂を目指す従来の登山（ピークハント）に比べて、より高度な体力、登山に関する知識、そして豊富な経験が求められます。

日本アルプスのような登山道が整備されている山域では、比較的容易に縦走を楽しむことができます。しかし、最初の山頂に到達するまでに時間がかかることが多いため、トレイルランニングのような特殊な登山方法を除き、一日で縦走を終えることは難しいでしょう。一方、ヒマラヤのような高山では、山頂に到達すること自体が困難であるため、縦走はほとんど行われることはありません。もし行われたとしても、ラインホルト・メスナー氏によるガッシャーブルム峰の縦走のように、登山史に残る偉業として語り継がれることになります。

また、市街地に近い比較的標高の低い山地でも縦走は行われています。例えば、神戸市が主催する「KOBE六甲全[[山縦走]]大会」（全長56km）は、毎年2000人もの参加者を集める人気のイベントです。

日本の有名な縦走路の例

表銀座: 中房温泉から槍ヶ岳へと至る人気の縦走路です。
裏銀座: 高瀬ダムを起点とし、槍ヶ岳を目指す縦走路です。表銀座と並び人気があります。
大キレット: 北穂高岳と南岳の間にある、岩場が連続するスリリングな縦走路です。難易度が高いことで知られています。
西穂高岳から奥穂高岳への縦走路: 西穂高岳からジャンダルムを経て奥穂高岳へと至るルートで、特定の名称はありませんが、一般登山道としては非常に難易度が高く、危険なことで知られています。ザイルを使用しない場合でも、注意が必要です。

縦走は、単に山頂を目指すだけでなく、山々を繋ぐ稜線を歩くことで、自然の壮大さをより深く感じることができる登山スタイルと言えるでしょう。

[参考]：『縦走』 - コトバンク

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