織田高長

織田高長（おだ たかなが）

織田高長は、江戸時代前期の大名であり、大和国宇陀松山藩の二代目藩主です。高長系織田家の初代として知られています。官位は従四位下・侍従でした。

生涯

天正18年（1590年）、織田信長の次男である織田信雄の五男として誕生しました。父・信雄が改易された後、高長は長兄の秀雄、細川忠興、前田利常のもとを転々としました。前田家時代には、大坂夏の陣に参加し武功を立てています。一説によると、細川家に身を寄せていた際には長岡主膳と名乗り、藪政一の娘と結婚し、豊前龍王城主であったとも言われています。慶長16年（1611年）に細川家を離れ、前田家に仕えました。

寛永3年（1626年）5月、四兄である上野国小幡藩主・信良が亡くなると、父・信雄は高長を前田家から呼び戻し、二歳であった甥・信昌の後見人となりました。寛永6年（1629年）4月には従四位下侍従に叙任されました。寛永7年（1630年）に父・信雄が亡くなると、信雄の隠居料であった大和宇陀松山3万1200石を相続しました。この相続に対し、上野小幡藩の家臣団は宇陀領も信昌家のものだと主張しましたが、幕府は宇陀領を独立させ高長の相続を認めました。

寛永7年（1630年）12月には、大御所徳川秀忠の使者として上洛しました。一方、三代将軍・徳川家光の使者は高家旗本の吉良義冬でした。この人選は、織田家と徳川家の親密さ、および江戸幕府内での織田家の家格の高さを示すものとされています。秀忠の次男である忠長の正室は高長の兄・信良の娘であり、血縁上、高長は織田信長の甥にあたります。『徳川実紀』には、徳川家光が名家を優遇した逸話として、当時まだ無官であった高長の子・長頼を、信長の子孫であるという理由で正月に単独で拝賀させたことが記されています。

寛永9年（1632年）、父・信雄の菩提寺を建立し、信雄の法名である徳源院から徳源寺としました。万治2年（1659年）12月23日、高長は隠居し、家督を次男・長頼に譲り、自身は一岩と号しました。

延宝2年（1674年）8月18日、大和松山で83歳で亡くなり、松山の徳源寺に埋葬されました。その後、織田家の柏原への転封に伴い、信雄から信武までの四代の遺骸は、惣見寺の寺域であった安土城跡の長谷川秀一邸跡に改葬されました。現在、四代の宝塔が現存しています。

系譜

父：織田信雄
母：久保三右衛門娘
妻：藪政一娘
妻：富田氏娘
次男：織田長頼
三男：織田長政
五男：津田頼房
生母不明の子女
長男：津田勝広 - 長頼の庶兄。娘に生駒則親室、孫に生駒則正
四男：織田信久 - 織田信昌の養子
女子：杉原重長継室
三女：織田政時正室
五女：織田一之正室
女子：土方氏陣室
* 女子：平野長政正室

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