織田長頼

織田長頼の生涯と業績

織田長頼（おだ ながより）は、江戸時代前期に活躍した大名であり、大和国宇陀松山藩の第三代藩主です。彼は通称「右近」と呼ばれ、官位は従四位下、侍従、伊豆守、山城守として知られています。高長系織田家の二代目として、彼がどのような人生を送ったのか、その詳細を見ていきます。

幼少期と家族背景

元和6年（1620年）、織田長頼は加賀国にて誕生しました。父は織田高長であり、この時期、彼の家は前田家に属する臣下であり、独自の大名ではありませんでした。寛永7年（1630年）、父である信雄が亡くなり、その後、長頼は父の分け前である宇陀松山3万1200石を高長が相続することで、名家の嫡子としての地位を得ました。

官位と家督相続

長頼は、慶安元年（1648年）には従四位下に叙任され、後には侍従としても任官されます。万治2年（1659年）、父の隠居に伴い家督を相続し、次いで弟の長政に3000石を分け与えました。その結果、宇陀松山藩の石高は約2万8235石となり、長政は幕府の交代寄合に組み込まれました。このように、長頼は藩の基盤を強化しつつ、家族間での分配も行っていました。

知名度と待遇

長頼に関する記録として、『徳川実紀』には、3代将軍・徳川家光が彼を特別に扱った事例が記されています。特に、彼が無官でありながらも信長の子孫であることから、正月には一人で拝賀する機会を得たという逸話があります。寛文5年（1665年）には、弟の信久と共に江戸城での八講会に参加し、国主に準じた待遇を受けていたことからも、その影響力が伺えます。

戦略的建設と文化活動

寛文11年（1671年）、長頼は領内の春日村に新たな陣屋を建築しました。この陣屋は「松山新陣屋」と名付けられ、藩政の中心的な役割を果たしました。貞享5年（1688年）には、一族の織田長清や秀親を招いて能を催し、元禄2年（1689年）には5代将軍・徳川綱吉の招きで登城し、自身も舞台に立つなど、文化活動も盛んに行われました。

晩年と死去

元禄2年4月3日、長頼は江戸にて70歳で亡くなりました。彼は松山にある徳源寺に葬られましたが、後に近江国安土城跡に改葬されることとなります。彼の生涯は、家族や藩の運営、また文化活動に多大な影響を与えたと言えるでしょう。

系譜

長頼の家族構成についても触れておきます。父は織田高長、母は富田氏の娘です。正室には金森重頼の娘を持ち、妻には津川氏の娘がいます。男子には長男・織田信武、長八、三男の織田長清、五男の織田長晴がおり、女子には多くの子女がいて、それぞれ異なる家系に嫁いでいます。特に、女子たちは加藤泰觚や松平正久、土方豊高など、他の名門へと嫁ぎ、織田家の血筋を広げていきました。

以上のように、織田長頼は江戸時代前期の重要な人物であり、彼の影響はその後の家族や藩に深く刻まれているのです。

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