羅漢寺 (加西市)

羅漢寺（らかんじ）

羅漢寺は、兵庫県加西市北条町にある天台宗の寺院です。山号は北栄山、本尊は薬師如来で、通称「北条五百羅漢」として親しまれています。

概要

羅漢寺は、元々酒見寺という寺院の伽藍の一部でした。特に五百羅漢は、酒見寺の重要な要素でした。しかし、明治時代の廃仏毀釈という仏教排斥の動きの中で、羅漢寺は官有地となり、その後、現在の場所へ薬師堂が移築され、独立した寺院となりました。

境内

羅漢寺の境内には、以下のような堂宇や石像物があります。

本堂：寺院の中心となる建物で、本尊の薬師如来が安置されています。
庚申堂：庚申信仰に基づいたお堂です。
庫裏：寺院の台所や住居として使われる建物です。
釈迦三尊石像：釈迦如来と脇侍の菩薩を表現した石像です。
来迎二十五菩薩石像：阿弥陀如来が二十五菩薩を伴って来迎する様子を表した石像です。
五百羅漢石仏群：羅漢寺の最も特徴的な存在で、多くの羅漢像が安置されています。
北条石仏（五百羅漢、兵庫県指定史跡）：境内北面に459体の石仏が鎮座しています。これらの石仏の制作者は不明ですが、酒見寺の伽藍内にあったことから、当時の住職・隆辨や寺男・高瀬清右衛門などが制作に関わったと考えられています。制作年代も明確ではありませんが、慶長年間（1596年 - 1615年）ではないかという説があります。石仏の材質は流紋岩で、技巧的に高度とは言えませんが、一体一体の表情に個性があり、その素朴さが多くの人に愛されています。古くから「親が見たけりゃ酒見北条の西の五百羅漢の堂に御座れ」と謳われ、大きさや表情の異なる多数の石仏の中に、必ず親や知人、または自分自身に似た顔があると言われています。1968年（昭和43年）1月5日に加西市の指定文化財に指定され、兵庫県観光百選にも選ばれています。2018年（平成30年）3月20日には、兵庫県の指定文化財（史跡）に指定されました。現在は五百羅漢保存委員会が管理者となっています。

文化財

羅漢寺にある文化財は以下の通りです。

兵庫県指定史跡
北条の五百羅漢

縁日

羅漢寺では、以下の縁日が行われます。

千灯会（8月8日）：本尊である薬師如来の縁日であり、お盆の月でもあるこの日の夕べには、参詣者によって境内すべての石仏の前にろうそくの火が灯されます。尺八の音が響き渡る中、幽玄な世界が現出し、訪れる人々を幻想的な雰囲気へと誘います。

札所

羅漢寺は、以下の霊場の札所となっています。

播州薬師霊場
10 播州清水寺 - 11 羅漢寺 - 12 神積寺
加西西国三十三箇所
33 酒見寺 - 番外 羅漢寺

所在地

〒675-2312 兵庫県加西市北条町北条1293

交通アクセス

鉄道
北条鉄道北条線 北条町駅から徒歩15分
バス
神姫バス 「アスティアかさい」バス停 徒歩15分
中国ハイウェイバス 北条バス停から徒歩15分
自動車
加西ICから車で15分

周辺情報

羅漢寺の周辺には、以下のような観光スポットがあります。

酒見寺
住吉神社
一乗寺
玉丘古墳群
山伏峠石仏
兵庫県立フラワーセンター

脚注

ひょうごっ子ココロンカード - 羅漢寺は対象施設となっています。

関連項目

羅漢寺 (各地にある羅漢寺の一覧)
羅漢

外部リンク

北条の五百羅漢 - 加西市
北条五百羅漢千灯会羅漢寺　2014.8．8

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