美努浄麻呂

美努浄麻呂について

美努浄麻呂（みの の きよまろ）は、飛鳥時代に所属していた貴族で、氏名は「美弩」とも表記されます。彼は主に従五位下の地位を示し、また大学博士も務めました。浄麻呂の官歴や活動は、当時の日本における新羅との外交に大きく関わっていました。

経歴

美努浄麻呂は、文武天皇の統治下であった慶雲2年（705年）に、従六位下から四階昇進し、従五位下に叙位されました。この叙位は、同年に新羅使の金儒吉が入京した際に行われたもので、彼の官途にとって名誉ある出来事でした。

翌年の慶雲3年（706年）、浄麻呂は遣新羅大使に任命されました。副使には対馬堅石が選ばれ、浄麻呂は新羅に渡海しました。在任中、彼は聖徳王からの勅書を賜り、外交の重要な役割を担ったことがうかがえます。慶雲4年（707年）には、学問僧として留学していた義法や義基らと共に帰国し、彼の帰国後も新羅との関係が続くことに寄与しました。

元明朝の和銅元年（708年）には、遠江守に任命され、その後は大学博士としても活躍しました。彼の業績は『懐風藻』と言われる古典文学にも取り上げられ、そこには漢詩作品が一首収められています。これは当時の文人としての一面を示すものであり、彼の文才も伺えます。

官歴

浄麻呂の官歴には、彼が従六位下から始まり、次いで従五位下に至るまでの昇進が記録されています。具体的な日付は次の通りです。

• - 時期不詳：従六位下
• - 慶雲2年12月27日：従五位下
• - 慶雲3年8月21日：遣新羅大使
• - 和銅元年3月13日：遠江守
• - 時期不詳：大学博士

このように、美努浄麻呂は飛鳥時代の中で貴族として名を残した人物であり、彼の外交や文学における貢献は、当時の日本と新羅との関係を深める重要な役割を果たしました。彼の生涯は多くの資料に記録され、特に『続日本紀』や『日本人名大辞典』などが彼の活動を後世に伝えています。

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