美咲華菜

美咲 華菜

日本の元女子プロレスラー、美咲華菜（みざき かな）は、1978年12月19日に東京都練馬区で本谷 香名子（もとや かなこ）として生を受けました。身長164cm、体重63kg、血液型O型という体格で、プロレスの道へと進みました。

キャリアの幕開け

彼女のプロレスラーとしてのキャリアは、1995年1月13日、千葉公園体育館で行われた対小林智美戦で始まりました。このデビュー戦の相手である小林智美は、美咲華菜の同期の一人でもあります。この期の所属選手には、後に日向あずみとなる久住智子、輝優優として活躍する宮口知子、カルロス天野となる天野理恵子、倉垣翼として知られる倉垣靖子、そして宮崎有妃といった、後の女子プロレス界で重要な役割を担う選手たちが名を連ねていました。

JWP女子プロレスに入団した美咲華菜は、そのルックスと明るいキャラクターから「アイドルレスラー」として瞬く間にファンの心を掴みました。団体の顔とも言える存在へと成長し、リング上での華麗なパフォーマンスで多くの観客を魅了しました。

栄光と試練

美咲華菜はリング上で確かな実力も示し、いくつかのタイトルを獲得しています。特にタッグ戦線での活躍が目覚ましく、JWP認定後楽園タッグ王座や全日本タッグ王座といった主要なタイトルをその手に収めました。得意技としては、相手を担ぎ上げてマットに叩きつける「フィッシャーマン・バスター」、独自のムーブである「K-ショック」、そして特徴的なのが「カナバット」でした。カナバットは、髪を獅子舞のように激しく振り乱しながら相手に炸裂させる技で、彼女の個性とダイナミックなファイトスタイルを象徴していました。

しかし、プロレスラーとしてのキャリアは常に順風満帆というわけではありませんでした。激しいトレーニングと試合の積み重ねにより、両膝に深刻な負傷を抱えることになります。この怪我は、彼女の現役生活に大きな影響を与えました。

惜しまれる引退

怪我の影響もあり、美咲華菜はプロレスラーとしてのキャリアを続けることが困難となり、惜しまれつつ引退を決断しました。最後の試合は、2001年7月29日にディファ有明で開催されました。この引退試合では、輝優優、宮崎有妃とトリオを組み、かつての同期である日向あずみ、倉垣翼、カルロス天野という強敵トリオと激突しました。この試合をもって、約6年半に及んだ彼女のプロレスラー人生に終止符が打たれました。

リング外でのエピソード

リング入場時に使用していたテーマ曲は、ボビー・ブラウンの「Seventeen」やリタ・フォードの「PLAYN WITH FIRE」などが知られています。

また、彼女には私設ファンクラブ「本谷香名子応援部隊PureHoppe」が存在しました。このユニークな名称は、JWPの当時のイメージコピーであった「PURE HEART PURE WRESTLING」から「Pure」を、そして彼女のトレードマークとして親しまれていた「ほっぺた」から「Hoppe」を取って名付けられました。このファンクラブは非公式ではあったものの、JWPオフィシャルからもその存在が認められていました。活動拠点は、JWP代表（当時）の山本雅俊氏の故郷である徳島に本部が置かれ、主な応援活動は東京支部を中心に行われていたようです。このファンクラブの存在は、美咲華菜がいかに多くのファンに愛されていたかを物語っています。

短い現役期間ではありましたが、美咲華菜はその華やかさと確かなレスリング技術、そして印象的なキャラクターで、JWP女子プロレスの歴史に確かな足跡を残しました。

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