羽梨山神社

羽梨山神社について

茨城県笠間市上郷に位置する羽梨山神社（はなしやまじんじゃ）は、豊かな歴史を誇る神社であり、祭神には木花咲耶姫命が祀られています。この神社は常陸国茨城郡にある式内小社で、その旧社格は郷社に該当します。

由緒の考察

羽梨山神社は、古くは羽梨山の中腹に築かれていました。歴史的には、天智天皇3年（664年）に木花咲耶姫命を祀る祠がこの地に建立されたことから、当初は「花白山神社」と呼ばれていました。その後、延暦22年（803年）には、武士坂上田村麻呂が陸奥の征討勝利を願い社殿を寄進しています。
また、平将門の乱においては、平貞盛が弓矢や砂金を奉納し、平将門の討伐を願ったことでも知られています。

平安時代に入ると、源頼義や源義家も神馬や武具などを奉納しましたが、現存しているのは神馬の鐙のみです。鎌倉時代には、宍戸家政が社殿を建て替えるなど、時代を経て社の発展が見られます。

しかし、天正11年（1542年）には、火災により羽梨山の社殿が焼失し、その後、現在の熊野権現の山麓に移転されることになります。さらに、寛文8年（1668年）に新たに社殿が造られ、元禄16年（1703年）には現在の明神石鳥居が、延享4年（1747年）には現社殿が建立されました。

明治時代には神仏分離令が施行され、別当寺の普賢院から独立しました。

社格と神階

羽梨山神社は神階として、873年には従五位上、885年には正五位下に任ぜられています。近代社格制度の下では、明治6年（1868年）に郷社に指定され、明治40年（1902年）には神饌幣帛料供進指定神社となりました。

祭事と行事

羽梨山神社では年間を通じてさまざまな祭事が行われています。元旦祭（1月1日）、節分祭（2月3日）、祈年祭（4月11日）、例大祭（11月第2土・日曜日）、そして新嘗祭（11月23日）など、多彩なイベントが地域の人々に親しまれており、地元の文化や伝統が息づいています。

境内と交通アクセス

羽梨山神社の境内は自然に囲まれており、静かな環境の中で精神的な安らぎを提供します。交通はJR常磐線の岩間駅から約3.3km、徒歩で約40分の距離に位置しています。

このように羽梨山神社は、歴史的な背景やコミュニティとの関わりを通じて、茨城県の重要な文化財となっています。訪れることで、神秘的な体験と共に、地域の伝統を感じることができるでしょう。

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