羽田昶

羽田昶（はた ひさし、1939年10月14日 - ）は、日本の著名な能楽研究者です。武蔵野大学の客員教授および能楽資料センターの研究員として、また能楽学会の常任委員として、能楽の研究と普及に尽力しています。トット基金の評議員も務めています。

経歴

東京都大森区で生まれた羽田氏は、1962年に國學院大學文学部（日本文学専攻）を卒業後、海城高等学校と開成高等学校で教鞭を執りました。その後、東京国立文化財研究所芸能部研究員、同音楽舞踊研究室長、武蔵野女子大学教授、武蔵野大学能楽資料センター長を歴任しました。国立能楽堂三役養成研修講師、楽劇学会会長、藝能学会副会長など、数々の要職も務めています。2007年からは文化庁芸術選奨推薦委員も務めています。

2012年には、その長年の功績が認められ、第34回観世寿夫記念法政大学能楽賞を受賞しました。また、共著である『能の囃子事』（1990年）では、東洋音楽学会田邉尚雄賞を受賞しています。

業績

羽田昶氏は、能楽研究において多岐にわたる貢献をしています。能・狂言に関する事典や鑑賞ガイドの編纂、能の作者や作品に関する研究、能謡の研究叢書の編纂など、その業績は枚挙にいとまがありません。特に、『能・狂言事典』は、能楽研究者のみならず、能楽愛好家にとっても必携の書として広く知られています。

編著書

『狂言 鑑賞のために』（吉越立雄と共著） 保育社、1974年
『能―本説と展開』（増田正造、小林責と共編） 桜楓社、1977年
『能を見る日々』（丸岡大二著、羽田昶編集） 能楽書林、1980年
『能・狂言事典』（西野春雄と共編） 平凡社、1987年、新訂増補 1999年、新版 2011年
『岩波講座 能・狂言〈3〉能の作者と作品』（横道萬里雄、西野春雄と共著） 岩波書店、1987年
『読んで楽しむ 能・狂言鑑賞ガイド』（監修） 小学館、1998年
『能謡研究叢書』全8巻（西哲生と共編） クレス出版、2004年
『能楽大事典』（小林責、西哲生と共著） 筑摩書房、2012年

これらの著作は、能楽研究の発展に大きく貢献しており、後進の研究者たちに多大な影響を与え続けています。

羽田昶氏は、日本の能楽研究において、その卓越した知識と情熱をもって多大な貢献をしてきた、まさに第一人者と言えるでしょう。

もう一度検索