羽田正

概要

羽田正は、日本を代表する歴史学者であり、特に世界史と比較歴史学において広く知られています。東京大学の名誉教授であり、東京大学東洋文化研究所の元所長でもあります。彼の業績は、学術界内外で高く評価されており、数多くの著書や研究が存在します。

経歴

羽田氏は1953年に大阪市で生まれました。京都大学文学部の史学科で学び、1976年に卒業後、同大学の大学院に進学しました。東洋史学を専攻し、1978年に修士課程を修了した後、博士後期課程へ進みました。その後、パリ第3大学に移り、1983年に「Doctorat de troisième cycle (Etudes iraniennes)」を取得しました。日本に帰国後は、1984年に京都大学大学院を単位取得退学し、日本学術振興会の奨励研究員としてキャリアをスタートさせます。

羽田氏は1986年に京都橘女子大学で助教授として講義を開始し、1989年には東京大学東洋文化研究所に助教授として転職しました。その後1997年には教授に昇格し、2004年から2006年にかけて副所長を務めました。2009年から2012年まで同研究所の所長として学問の発展に寄与しました。2012年4月からは東京大学の副学長としても活動し、2019年には定年退職を迎えましたも、彼は名誉教授としてその後も学術界で活躍を続けています。

受賞歴

羽田氏の研究及び著作は多くの賞を受賞しています。2006年には『イスラーム世界の創造』により第18回アジア・太平洋賞特別賞を受賞、さらに2010年には同著作により第4回ファーラービー国際賞も受賞しています。また、2010年には編著書『Asian Port Cities 1600-1800』がアジア太平洋出版協会の学術書部門で銀賞を受賞しました。羽田氏はまた、2017年に紫綬褒章、2021年にはフランス政府教育功労章将校に指定され、2024年には文化功労者としての栄誉を受ける予定です。

著作と研究テーマ

羽田氏の著作は多岐に渡ります。彼の代表作には、1994年の『モスクが語るイスラム史：建築と政治権力』や、2005年に出版された『イスラーム世界の創造』などがあり、いずれも彼の専門分野であるイスラーム史に関する重要な研究です。また、近年では「新しい世界史」をテーマにした研究を通じて、地球市民としての視点から歴史を捉え直すことにも取り組んでいます。これらの研究は、国際的にも評価され続けています。

家族・親族

彼の家族の中には、祖父が東洋史学者で京都大学名誉教授の羽田亨氏、伯父には羽田明氏がいます。このように羽田正氏は学者一家に育ち、世代を超えた歴史研究の伝統を大切にしています。

最後に

羽田正氏は、歴史学の分野において深遠な影響を与え続ける存在です。彼の研究や著作は、これからも多くの人々に影響を与えることでしょう。

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