羽黒 (重巡洋艦)

羽黒の艦歴と戦歴

羽黒（はぐろ）は、日本海軍の重巡洋艦であり、妙高型の4番艦です。その名称は、山形県に位置する羽黒山に由来しています。

建造と艦歴

羽黒は1929年4月25日に三菱造船長崎造船所で竣工しました。設計には当時建造中の客船浅間丸を参考にし、艦内の装飾や塗装、通風設備は日本式に改良されました。この艦はイギリス海軍の影響を受けた艦内装備から、日本独自の仕様に変更されたものです。就役後、羽黒は第二艦隊第四戦隊に配属され、1931年に煙突の改良工事を行い、1934年から1935年には第一次改装、1938年には第二次改装を実施しました。この改装では高角砲や機銃の増設、艦橋の構造改正、航空設備の強化がなされました。

太平洋戦争の参加

1941年12月に始まった太平洋戦争において、羽黒は第三艦隊および第五戦隊に所属し、フィリピンや南方作戦、蘭印作戦などに参加しました。特に1942年1月4日には、ジャワ方面の攻略を目指して集結していた際、B-17爆撃機の奇襲を受け、旗艦の妙高が中破しました。これにより、羽黒と那智がジャワ攻略作戦に参加することになります。

1942年2月27日、羽黒はスラバヤ沖海戦において、ABDA艦隊と交戦し、イギリスの重巡洋艦エクセターに直撃弾を与える一方で、敵艦隊に対する雷撃戦は失敗に終わりました。続く夜戦では、羽黒は敵艦隊と遭遇し、煙幕を展開しながらかろうじて脱出しました。

さらなる海戦

以降の戦闘でも羽黒は活躍し、特にニューギニア島のポートモレスビー攻略を目的としたMO作戦に従事しました。この作戦では、アメリカ軍との珊瑚海海戦が展開され、羽黒は敵空母との交戦に関わりました。

1944年に入ると、彼女は南西方面艦隊の指揮下に入り、様々な作戦に参加しました。特にレイテ沖海戦やマリアナ沖海戦では重要な役割を果たし、多くの交戦を経て艦隊に貢献しました。1945年には、物資の輸送任務中に敵機に攻撃され、後のペナン沖海戦で最終的に沈没する運命に至ります。

沈没とその後

羽黒は1945年5月17日に沈没し、艦長や乗組員を含む多くの命を失いました。60年後には海底で発見され、大規模なサルベージ作業が行われました。しかし、無断でのサルベージが報じられ、海軍の艦船としての尊厳が問われました。

歴代艦長

艦長には原敬太郎大佐を初めとし、多くの指導者が歴任しました。彼らの指導の下、羽黒は多くの艦歴を刻むことに成功しました。

羽黒の歴史は、日本海軍の激動の時代を映し出すものであり、彼女の活躍は今も多くの人々に記憶されています。その艦艇としての存在は、今なお艦船愛好者や歴史研究者にとって興味深い対象となっています。

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