羽黒城

羽黒城の歴史と遺構

羽黒城（はぐろじょう）は、愛知県犬山市羽黒に位置する日本の平城で、その歴史は鎌倉時代の武士、梶原景親によって築かれたことに始まります。彼は源頼朝に仕えた重臣であり、世代を超えてこの地を治めてきました。

城の起源と廃城

羽黒城は、梶原氏の代々の居城として重要な役割を果たしていましたが、織田信長に仕えていた梶原景久（景義）が「本能寺の変」において明智光秀と戦い、討ち死にしたことで梶原氏も滅亡します。このことが城の廃城へと繋がりました。時は経ち、1584年（天正12年）には小牧・長久手の戦いが起き、羽柴秀吉のためにこの地が利用されます。この戦いの際には山内一豊や堀尾吉晴が城を守ったとの記録も残されています。

現在の羽黒城

現在、羽黒城の城址には梶原氏の菩提寺である興禅寺があります。興禅寺の境内には、梶原景時を顕彰する石碑が建てられており、その歴史的背景を知る手助けとなっています。さらに、羽黒城は羽黒城古墳と呼ばれる前方後円墳の上に築かれており、その墳丘の頂上には城址碑が立っています。

遺構の状況

羽黒城の遺構には、竹藪の中に今なお残る堀の跡や、土塁跡が見られます。これらは興禅寺の境内まで延びている形跡もあり、当時の城の規模を物語っています。城の一帯は自然に恵まれ、点在する竹藪などが今もなお、歴史を感じさせる環境を保っています。

アクセスと周辺施設

羽黒城へのアクセスは非常に便利で、名古屋鉄道の名鉄小牧線を利用することができます。羽黒駅からは徒歩約10分の距離にあります。また、自家用車の場合は名神高速道路の小牧ICから国道41号線（名濃バイパス）を利用することでアクセスが可能です。

周辺には、興禅寺や羽黒城古墳、犬山市民文化会館、羽黒中央公園など、多様な文化施設があります。特に磨墨塚史跡公園は訪問者に人気で、そこには馬をモチーフにした遊具も設置されています。さらに、磨墨塚公園は宇治川の戦いの功績を称えられた梶原景季の名馬、「磨墨」の墓所ともなっています。

羽黒城はその豊かな歴史的背景や美しい自然の中に位置しており、訪れる人々に多くの学びと感動を与える魅力的な場所です。

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