聖シルベストロ教皇騎士団勲章

聖シルベストロ教皇騎士団勲章

聖シルベストロ教皇騎士団勲章（羅: Ordo Sanctus Silvestri Papae）は、ローマ教皇によって授与される栄誉ある騎士団勲章の一つです。この勲章は、4世紀に教皇を務めた聖シルウェステル1世にちなんで名付けられました。シルウェステル1世は、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝の時代にキリスト教の発展に大きく貢献した人物として知られています。

騎士団と勲章の目的

この騎士団勲章は、職務や技能を通じてカトリック教会の活動に貢献した人々を顕彰することを目的としています。特筆すべき点として、カトリック信徒だけでなく、他の信仰を持つ人々も受章の対象となり得ます。受章のプロセスは通常、教区司教の推薦から始まり、推薦は教皇大使を通じてバチカン国務長官に取り次がれます。その後、バチカンによって騎士団員として任命され、その証として勲章が授与されます。

教皇騎士団員に列せられることは、大変な名誉であり、義務を伴うものではありません。しかし、受章者は司教や司祭の叙階など、教区における重要な行事に招待されることが通例となっています。これらの行事に出席する際には、騎士団の制服を着用することが求められます。

等級

聖シルベストロ教皇騎士団勲章には、現在3つの等級が存在します。ただし、司令官級には星章の有無による区別があるため、実質的には4つの等級に分けることができます。

大十字（大綬と星章）
司令官（中綬・星章ありまたはなし）
騎士（小綬）

歴史

聖シルベストロ教皇騎士団の起源は、黄金拍車騎士団（Militia Aurata）と呼ばれる、教皇騎士団の中で最も古い組織に遡ります。しかし、その創設者については諸説あり、確かなことは分かっていません。かつてはスフォルツァ家などに騎士号の任命特権が与えられていたため、騎士号が乱発され、その権威が低下していました。

1841年、教皇グレゴリウス16世は、この状況を改善するために任命特権を撤回し、人数制限を設けるなどの改革を行いました。この際、名称はそのままに、聖シルウェステル1世を守護聖人として定められました。その後、1905年に教皇ピウス10世は、高い格式を持つ黄金民兵団と、より広範な一般人を顕彰する聖シルベストロ教皇騎士団とに分割しました。

当初、受章対象は男性に限られていましたが、1994年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって女性にも対象が拡大されました。

著名な受章者

聖シルベストロ教皇騎士団勲章は、数多くの著名人に授与されています。以下はその一部です。

張景恵（大十字）
張燕卿（大十字）
謝介石（大十字）
ウィリアム・ドノバン（1944年、大十字）
フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス（1962年、大十字）
オスカー・シンドラー（1968年、大十字）
ゲオルク・ツー・メクレンブルク（大十字）
カール・アウグスト・フォン・トゥルン・ウント・タクシス（大十字）
オットー・フォン・ハプスブルク（大十字）
ボブ・ホープ
ベルンハルト・クロル（2007年、星章あり司令官）

日本の受章者

日本においても、聖シルベストロ教皇騎士団勲章を受章した人物がいます。

参考文献

外部リンク

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