聖戦貫徹議員連盟

聖戦貫徹議員連盟の概要

聖戦貫徹議員連盟（せいせんかんてつぎいんれんめい）は、1940年2月に設立された日本の超党派議員連盟です。斎藤隆夫による反軍演説が直接のきっかけとなり、軍部の支持を受けた議員たちが同年3月25日に結成しました。しかし、結成から半年も経たない8月6日には新体制促進同志会に合流する形で解散することが決まりました。

結成の背景

この議員連盟の設立は、1940年2月2日に斎藤隆夫が行った反軍演説に起因します。この演説の後、彼は懲罰委員会にかけられ、結果として除名されることが決まりました。その際、議院内の陸軍の支援を受けていたグループが集まり、聖戦貫徹議員連盟の前身となりました。このグループは、いくつかの派閥から成り立っており、斎藤の除名に反対する動きを強化していました。

聖戦貫徹議員連盟は結成時に「自由主義的な国内体制を刷新し、国民精神を昂揚させる」と宣言し、共産主義や自由主義に対抗する国粋主義的な立場を打ち出しました。結成当初の中心人物には山崎達之輔や中島知久平などが名を連ねていました。

近衛新体制への道

1940年4月になると、近衛文麿を中心とした新たな政治体制の構築への動きが視界に入ってきます。この時期、ナチス・ドイツはフランス侵攻を開始し、これが日本国内にも全体主義の思潮を呼び起こしました。政友会の久原房之助が、既存の政党を解散し、一国一党制の国家を目指すことを公然と提唱し、他の政党も次々とこれに賛同しました。

その結果、聖戦貫徹議員連盟は議会内のすべての政党の解党を促し、新政党の形成を目指しました。5月25日には特別委員会を設置し、具体的な方針を打ち出しました。

この連盟によって、戦前日本の議会政治において重要な役割を果たした政党が次々と解散し、最後には無党状態に至りました。これは歴史的な変遷を示すものであり、政党政治が時代の変化に翻弄される様子を如実に表しています。

解党と最後の努力

7月から8月にかけて、さらなる解党の動きが強まりました。社会大衆党や政友会、民政党などの主要政党が次々と解散を決定し、統一新党の設立に向けた動きが加速されました。多くの政治家が新たな政治体制の樹立を叫ぶ中、実際には新体制が具体的に何を意味するのかは明確なビジョンを欠いていました。

最終的に、各政党の解党は日本の政党政治の終焉を象徴するものであり、聖戦貫徹議員連盟は、ナチス・ドイツをモデルとした一国一党制の国家樹立を目指した一連の動きの中で中心的な役割を果たしました。

結論

聖戦貫徹議員連盟は、日本の政治史において重大な転換点を形成しており、その影響は戦後にまで及ぶこととなります。この議員連盟は単に一つの組織の設立にとどまらず、日本の政治構造全体を揺るがす重要な出来事の一環であったと言えるでしょう。

もう一度検索