懲罰委員会

懲罰委員会の概要

懲罰委員会（ちょうばついいんかい）は、日本の衆議院と参議院に設置された常任委員会の一つです。主に議員の懲罰に関する事項や資格訴訟を扱う役割を担い、国会法に基づいて運営されています。この委員会が初めて設置されたのは1947年5月20日の第1回国会であり、それ以降、各院で懲罰に関する重要な決定を行ってきました。

委員会の役割

懲罰委員会は、衆議院と参議院それぞれに存在し、議員に対して戒告や除名、登院停止などの懲罰を課す権限を持ちます。懲罰を行う場合、必ず懲罰委員会の意見を聞かなければならないとされていますが、実際に懲罰が行われることは稀です。これは、多くの懲罰事犯が起こらないためであり、懲罰委員会の開催頻度も低いのが現状です。

例えば、委員会が開かれるのは衆議院議員総選挙や参議院議員選挙後の特別会、または常会・臨時会における委員長の就任挨拶や理事選任の際がほとんどです。このため、通常時には懲罰委員会の委員は与党や野党の要職を歴任した大物議員が選ばれることが多く、そのため「上がりポスト」とも呼ばれます。特に内閣総理大臣や衆議院議長を経験した議員がこの委員会に名を連ねることが一般的です。

衆議院と参議院の違い

衆議院懲罰委員会は議員資格訴訟も扱う一方、参議院の懲罰委員会ではこの資格訴訟は別の資格争訟特別委員会に委ねられています。これにより、参議院では懲罰に関する問題は限られた範囲に留まることとなります。

懲罰委員会の委員は、各議院で議長の指名により選任されます。具体的には、各会派の議席数に基づき、議院運営委員会で委員の割当数が決定され、その範囲内で各会派が適切な人材を提案する形で進められます。また、委員長については委員の互選または議長の指名によって選ばれますが、実際には多くの場合、議長の指名によることが一般的です。

組織と構成

衆議院懲罰委員会

2023年10月20日現在の衆議院懲罰委員会の構成は以下の通りです。

• - 懲罰委員長: 大串博志（立憲民主党・無所属）
• - 理事:

- 丹羽秀樹（自由民主党・無所属の会）
- 林幹雄（自由民主党・無所属の会）
- 大築紅葉（立憲民主党・無所属）
- 井上英孝（日本維新の会）

• - 委員:

- 逢沢一郎（自由民主党・無所属の会）
- 甘利明（自由民主党・無所属の会）
- 奥野信亮（自由民主党・無所属の会）
- 菅義偉（自由民主党・無所属の会）
- 二階俊博（自由民主党・無所属の会）
- 葉梨康弘（自由民主党・無所属の会）
- 武藤容治（自由民主党・無所属の会）
- 鷲尾英一郎（自由民主党・無所属の会）
- 安住淳（立憲民主党・無所属）
- 泉健太（立憲民主党・無所属）
- 小沢一郎（立憲民主党・無所属）
- 岡田克也（立憲民主党・無所属）
- 高木陽介（公明党）

参議院懲罰委員会

参議院懲罰委員会は2024年1月26日現在、次のように構成されています。

• - 懲罰委員長: 松沢成文（日本維新の会）
• - 理事: 牧野京夫（自由民主党）
• - 委員:

- 世耕弘成（自由民主党）
- 関口昌一（自由民主党）
- 野上浩太郎（自由民主党）
- 福岡資麿（自由民主党）
- 水岡俊一（立憲民主・社民）
- 山本香苗（公明党）
- 川合孝典（国民民主党・新緑風会）
- 井上哲士（日本共産党）

まとめ

懲罰委員会は、議院内の倫理を保つために重要な役割を果たしており、議員自身の行動や資格に関する厳格な監視を行っています。定期的な開催は少ないものの、その機能は議会における信頼性を維持するために不可欠です。

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