聖職者按手

聖公会における聖職者按手

聖職者按手（せいしょくしゃあんしゅ）は、聖公会において、新しく主教、司祭、執事を叙任する際に行われる特別な礼拝式です。この式典では、聖公会の主教が叙任される者の頭に手を置き（按手）、祈りを捧げることによって、使徒継承の権能を授けます。礼拝式の名称としては、聖職按手式とも呼ばれます。

概要

聖公会における聖職者按手は、カトリック教会における叙階の秘跡、正教会における神品機密（叙聖）に相当する儀式と見なすことができます。しかし、カトリック教会と正教会がこれらの儀式をサクラメント（秘跡、機密）として位置づけているのに対し、聖公会では聖職者按手を聖奠（サクラメントの聖公会による訳語）とはせず、「聖奠的諸式」として扱っています。これは、聖職者按手がサクラメントに準ずる重要な儀式であることを意味します。

聖公会では、主教が新たな主教、司祭、執事を立てることを「叙任」と呼びます。聖職者按手は、この叙任の過程において不可欠な要素となります。

按手の司式者

主教按手: 首座主教、または首座主教から指名を受けた主教が司式を行います。
司祭および執事按手: 教区主教が司式を行います。

いずれの按手においても、教会の祈りと支持を広く求めるために、事前に告知された日程に従って執り行われます。これは、聖職者按手が教会全体に関わる重要な儀式であることを示しています。

叙任される者の適性

聖公会では、神から召され、試練を経て、教会によってその適性が認められた者のみが、聖霊を求める祈りと主教の按手を通して、主教、司祭、執事に叙任されると考えられています。この過程は、叙任される者が信仰、知識、人格において聖職者としての責務を果たすに足る人物であるかを厳格に評価するものであることを意味します。

聖職者按手は、聖公会において、聖職者の地位と責任を授ける神聖な儀式であり、教会の信仰と伝統を継承する上で極めて重要な役割を果たしています。

この儀式を通して、新たな聖職者は神の恵みと導きを受け、教会共同体を導き、奉仕する使命を託されるのです。

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