肝付兼固

肝付兼固（きもつき かねかた）

肝付兼固は、生没年不詳の戦国時代の武将です。大隅国の有力豪族である肝付氏の庶流に位置し、受領名として越前守を称しました。父は肝付兼光で、弟に兼恒がいます。

生涯

文明15年（1483年）、父である肝付兼光が亡くなると、家督を継承し当主となりました。その後、島津忠昌から姶良郡溝辺の地を三十町を与えられ、その所領を基盤としました。文明16年（1486年）、兼固は一族と共に、それまで拠点としていた大崎から溝辺へと移住しました。この移住の際に、兼固は瑞泉山心慶寺（ずいせんざんしんけいじ）を建立し、地域における精神的な拠り所としました。

兼固の息子である肝付兼演は、後に島津氏の家老となり、その勢力拡大に貢献しました。兼演は加治木へと移り、島津氏の重臣として活躍しました。肝付氏の血筋は、この兼演を通じて島津氏の家臣団の中で重要な役割を担うこととなります。

兼固は、肝付氏の歴史において、家督を継承し、新たな所領を得て一族の発展に寄与した人物として位置づけられます。また、彼が建立した心慶寺は、地域における文化的な遺産として、現在もその名を残しています。

系譜

父：肝付兼光
母：不詳
妻：不詳
男子：肝付兼演
男子：肝付兼利
女子：上井薫兼室（上井覚兼の母）


肝付兼固は、戦国時代の動乱の中、一族の存続と発展のために尽力し、その子孫は島津氏の家臣として歴史に名を刻みました。彼の足跡は、当時の武士の生き様を示す貴重な史料となっています。

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