肝付兼演

肝付兼演（きもつき かねひろ）

生涯

肝付兼演は、戦国時代の武将で、大隅国加治木城の城主を務めました。彼の家系は、肝付氏の本家12代である兼忠の三男・兼光を祖とする庶流に属します。当初、兼演は島津勝久の家老として仕えていましたが、勝久が島津貴久に家督を譲った際、越前守に任じられ、そのまま貴久に仕えることとなりました。

1534年（天文3年）には、島津貴久の実父である島津忠良から、辺川・加治木・木ノ内・中ノ州などの領地を与えられ、本拠地を大隅溝辺から加治木へと移しました。しかし、1537年（天文6年）に、兼演は薩州家の当主である島津実久の誘いに乗り、一転して貴久に敵対するようになりました。

これに対し、島津貴久は1542年（天文11年）に北原兼孝の助力を得て加治木を攻めましたが、兼演はこの攻撃を退けました。その後、1549年（天文18年）5月には、伊集院忠朗、樺山善久、北郷忠相らの軍勢が派遣されました。兼演側には、蒲生氏、入来院氏、祁答院氏、東郷氏が加勢しましたが、同年11月、伊集院忠倉の火計によって陣が乱れ、兼演側は敗退しました。翌年、兼演は北郷氏を通じて貴久に降伏しました。しかし、降伏後も加治木の領有は安堵されています。

1552年（天文21年）、兼演は55歳でこの世を去りました。彼の跡は、嫡男である兼盛が継ぎました。

人物

肝付兼演は、島津氏の一族として、戦国時代の激しい動乱の中で生き抜いた武将でした。当初は島津氏に従っていましたが、薩州家との関係から反旗を翻し、最終的には降伏するなど、その生涯は波乱に満ちていました。加治木を拠点とし、地域を統治した人物として歴史に名を残しています。

参考文献

* 『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）

もう一度検索