肥後ノ海直哉

肥後ノ海 直哉

肥後ノ海 直哉（本名：坂本直人）は1969年9月23日生まれ、熊本市西区出身の元大相撲力士です。彼は三保ヶ関部屋に所属し、最高位は西前頭筆頭にまで上り詰めました。彼は183cm、152kgの体格を持ち、相撲の得意技には左四つや寄り、上手出し投げ、突き落としがありました。

来歴

肥後ノ海は、1991年に熊本市に編入された旧河内町白浜地区で生まれました。幼少期には河内小学校白浜分校に通い、同級生を励ますために大相撲力士を目指すようになりました。河内小学校本校と町立河内中学校を経て、熊本工大高等学校で全国大会に出場し、さらに日本大学へ進学。日本大学では4年生のときに主将を務め、全国学生相撲選手権大会で学生横綱に輝くなどの成績を収めました。彼の相撲道が始まったのは、同志の濱洲（後の濱ノ嶋）とともに三保ヶ関部屋に入門した時です。

1992年1月場所で幕下付出として初土俵を踏み、わずか3場所で幕下を通過。7月場所には十両に昇進し、その後も安定した成績を収め続けました。その中でも特に印象深いのは、1995年5月場所での曙戦や1999年3月場所での貴乃花戦での勝利です。彼の相撲スタイルは左四つから右上手を取るもので、突き押しも得意としていました。2000年7月場所には、新入幕から44場所連続で平幕に在位したことで、その記録を更新しました（最終的には53場所）。

引退とその後

しかし、怪我に悩まされながらも三役には昇進できず、2001年11月場所を最後に十両に陥落。在位を続けるも、2002年には東十両13枚目まで落ち、現役を引退。直後に年寄株を取得し、木村瀬平（木瀬）を襲名しました。

引退後は三保ヶ関部屋にて後進の指導に努めるも、2003年12月に独立して木瀬部屋を設立。木瀬部屋では多くの新しい力士を育て上げ、15人の関取を輩出しました。同部屋からは特にジョージア出身の臥牙丸や学生相撲から飛躍した清瀬海が印象的でした。彼の指導理念に基づき、弟子たちの成長に注力し続けました。

しかし、2009年には維持員席のチケット問題で相撲協会から降格処分を受け、部屋を一時閉鎖。弟子たちは他の部屋に移籍し、その後も大相撲八百長問題に関与した弟子の件で監督責任が問われ、数回の特別調査を経た後に処分を受ける場面もありました。それでも、2014年には主任に昇格するなど、彼の指導に対する評価は変わらず続いています。

近年では、健康上の理由で入院したこともありましたが、引き続き弟子への指導を行っています。肥後ノ海直哉の相撲人生は非常に波乱万丈でありながら、丹念に築いたキャリアは今も多くの人々に影響を与えています。

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