肥田浜五郎

肥田 浜五郎の生涯

肥田浜五郎（ひだ はまごろう）は、1830年2月21日生まれで、1889年4月28日に逝去した日本の幕末から明治期の技術者および官僚です。彼は豆州肥田氏の末裔として知られ、長崎海軍伝習所の第二期生として教育を受けました。浜五郎の本名は為良（ためよし）であり、彼は様々な分野で活躍しました。

幕末期の活動

浜五郎は、最初に韮山代官江川英龍の手代見習いとして働きました。その後、伊東玄朴から蘭学を学び、長崎海軍伝習所で機関学を習得します。1859年、彼は軍艦操練所の教授として奉職し、1860年には軍艦咸臨丸の機関長に選ばれました。この船は、太平洋を横断するという重要な航海を成功裏に終えました。浜五郎は、病気の勝海舟に代わって船の指揮を取るなど、大きな責任を担いました。

その後、1861年には軍艦操練所の頭取手伝いを経て、さらに1862年には幕府初の蒸気軍艦千代田形の蒸気機関を設計しました。1863年には、徳川家茂の御座舟翔鶴丸の艦長を務め、多くの経験を積んでいきました。1865年には横須賀造船所の工作機械購入のためにオランダに派遣され、帰途には著名な技術者レオンス・ヴェルニーとも会見しました。

明治期の役割と影響

維新後、浜五郎は静岡藩海軍学校の校長に就任しましたが、1869年に民部省に出仕し、新政府での仕事が始まります。彼は工部少丞、さらに海軍大丞兼主船頭などの要職に昇進し、1875年には海軍少将に任命されました。その後も主船局長や機関総監などの重要な役職を歴任し、海軍の整備や技術向上に寄与しました。

特に、浜五郎は1885年に皇室の保養施設「箱根離宮」の建設を手がけるなど、文化面でも影響を与えました。私生活では、彼は長男名義で5万坪の土地を提供し、工事に尽力しました。彼の家族も医師や技術者として活躍し、家系の繁栄を支えました。

最期と遺産

肥田浜五郎は1889年4月27日、藤枝駅での事故により負傷し、その翌日亡くなりました。享年は60歳でした。彼は既に病に苦しんでおり、足や膝に問題を抱えていました。浜五郎の不幸な事故は、当時の列車にトイレが設置されていなかったことも影響しており、その後の改善につながる要因にもなりました。

彼の墓所は港区の玉窓寺にあります。浜五郎の生涯は、幕末から明治へかけての日本の海軍の発展と技術革新において重要な役割を果たしたと評価されています。彼の功績は、後に日本海軍の発展に大きな影響を与えることになりました。

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