胆石発作

胆石発作とは

胆石発作、または胆石疝痛は、胆石が食事などの刺激によって胆管を閉塞することにより引き起こされる非常に激しい上腹部の痛みです。日本においては、5人に1人が胆石を有すると言われていますが、その多くは症状がないまま経過することが少なくありません。しかし、場合によっては胆石が胆管を塞ぎ、急性胆嚢炎や急性胆管炎といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。これにより、敗血症やショック、さらには意識障害を引き起こす可能性もあり、迅速な治療が必要です。

胆石とは

胆石は、胆嚢や胆管の中にできる結石のことを指します。これらの結石は、コレステロールやビリルビンが結晶化してできるもので、病気や摂取する食事の影響を受けます。胆石発作は特に油脂の多い食事を摂った後に起こることが多く、患者はしばしば突然の激痛を経験します。

この発作の際、痛みは通常、鳩尾や右上腹部に集中します。発作が起こると、吐き気や発熱を伴うこともあります。この状態が続くと、胆嚢や胆管に炎症が生じ、さらには胆嚢に穴が開き腹膜炎を引き起こすこともあります。最悪の状況では、胆汁の流れが遮断されることで黄疸が出現することがあり、生命に関わる緊急の治療が必要となります。

診断方法

胆石の診断は、腹部超音波検査やコンピュータ断層撮影（CT）により行われます。これらの検査によって胆石の有無やその位置、胆嚢や胆管の炎症の程度が把握されます。

治療法

胆石発作が診断された場合、通常の治療法は、患者を絶食させ、点滴によって炎症を抑える方法です。症状が改善した後に、胆石に対する治療が行われます。具体的には、胆石の種類によって異なり、時にはウルソデオキシコール酸という経口薬を用いて結石を溶かすことがあります。ただし、この治療法には時間がかかることがあります。

他の方法としては、体外衝撃波結石破砕療法があり、これは衝撃波を利用して胆石を砕く手弊です。手術の選択肢もあり、腹部を開けて行う従来の方法や、腹腔鏡下胆嚢摘出術という小さな切開で行う方法があります。

特に、胆嚢に穴が開いたり、腹膜炎が発生した場合は緊急手術が必要となります。また、胆嚢が腫れて腫瘍のような状態になることもあり、超音波ガイド下で限定的な処置を行うこともあります。黄疸が現れた場合には、医療処置として胆汁の流出口にチューブを挿入したり、肝臓を直接針で穿刺して胆汁を体外に誘導する必要があります。

胆石発作は注意が必要な症状であるため、兆候が見られた場合は早急な医療機関への受診が重要です。

もう一度検索