腕捻り

腕捻り（かいなひねり）

腕捻りは、大相撲の日本相撲協会が定める決まり手八十二手の一つ、捻り手に分類される技です。相手の片腕を両腕で抱え込み、一本背負いのように担ぎ上げるのではなく、抱えた腕を軸にして相手を捻り倒します。同じ捻り手の「とったり」とは、体をひねる方向が逆になる点が特徴です。

技の特徴と類似の技

腕を抱えて捻り倒すという点で、柔術の技である神道六合流柔術では、同様の技を「肩落（かたおとし）」や「肩車（かたぐるま）」と呼んでいます。ただし、柔道の肩車とは異なる技です。

歴史的な一番

1998年初場所の10日目、当時横綱だった貴乃花が、前頭の湊富士にこの腕捻りで敗れ、湊富士に初の金星を与えました。この一番の後、貴乃花は体調を崩し、その後2連敗。横綱になってからは自身初の3連敗を喫し、その後休場しています。

主な使い手

腕捻りを得意とした力士としては、元十両の古市、北勝国などが挙げられます。幕内力士では、元関脇の若見山、栃赤城、元前頭の光法などが知られています。近年では、2016年3月場所6日目に里山が德勝龍に対し、2019年7月場所6日目に炎鵬が矢後に対し、2021年7月場所3日目には照ノ富士が隆の勝に対して、この技を決めています。2018年5月場所では、荒鷲が碧山との対戦で腕捻りを試みましたが、最終的な決まり手は小手捻りとなりました。

昔の相撲の技の呼び名

古い相撲の文献では、別の技を腕捻りと呼んでいるケースがあります。例えば、1884年に出版された『今古実録 相撲大全』や、1918年の書籍『最近相撲図解』では、現在「とったり」と呼ばれている技を「腕捻」と呼んでいました。

脚注

大相撲の決まり手一覧

外部リンク

腕捻り - 決まり手八十二手

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