臼杵氏

臼杵氏（うすきし）

臼杵氏は、大神氏の一族で、大神惟盛が豊後国臼杵荘に入り、その地名から臼杵氏を称したのが始まりとされます。戸次氏、佐伯氏、緒方氏などの庶家を輩出しました。

歴史

鎌倉時代、臼杵惟直（直氏）には男子がいなかったため、近隣の有力豪族であった大友氏の一族、戸次氏から戸次貞直の子・直時を婿養子に迎えました。これにより、臼杵氏の嫡流は大神姓から大友氏へと変わり、大友氏に従属する立場となりました。

戦国時代の当主・臼杵長景は臼杵庄水ヶ谷城主であり、大友義鑑の加判衆を務めるなど、大友氏の重臣として活躍しました。長景の死後、家督を継いだのは長男の臼杵鑑続で、20年もの長きにわたり加判衆を務め、幕府や朝廷との交渉など、大友氏の外交を担いました。鑑続には男子がいましたが幼少であったため、弟の臼杵鑑速が跡を継ぎ、加判衆を務めました。鑑速は大友義鎮（宗麟）の重臣として活動し、吉岡長増・吉弘鑑理らとともに「豊後三老」と称されました。この頃、鑑速は外交だけでなく、筑前国や豊前国に侵攻してきた毛利氏への対応や、明や李氏朝鮮との対外貿易にも携わりました。

1574年（天正2年）の書状に見られるように、この頃から鑑速の嫡男・臼杵統景が父の名代として活動を開始し、将来を嘱望されました。しかし、1578年（天正6年）の耳川の戦いに出陣した統景は、島津軍に敗れて討死しました。統景の討死により、その従兄弟の臼杵鎮尚が家督を継ぎました。鎮尚は侵攻する島津氏に抵抗し、臼杵城の攻防戦にも参加しています。また、統景・鎮尚の従兄弟にあたる臼杵鎮定は、宗麟の死後、大友義統に仕え、文禄・慶長の役にも出陣しましたが、義統が戦役中に改易されると、大友氏を退出して上洛。その後、行方不明となり、戦国武将としての臼杵氏は完全に滅亡しました。

系譜

義直以降の系図は臼杵長景#家系を参照してください。

関連項目

緒方惟栄 - 緒方三郎惟義
大神氏
宇佐八幡宮
* 石清水八幡宮

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