船坂峠

船坂峠

船坂峠は、兵庫県赤穂郡上郡町梨ヶ原と岡山県備前市三石の間に位置する標高197mの峠であり、両県の県境を成しています。

歴史と文化

地名の由来は丘陵地の連なった坂を意味する「畝坂（うなさか）」であると言われています。

古くから山陽道の要所として、播磨国と備前国を分ける役割を果たしてきました。元禄16年建立の国境石「從是西備前國」が、かつての街道の名残を伝えています。

古代には西の坂長（現備前市三石）に駅家が設置され、麓には有年、三石の宿場ができました。江戸時代には関所も設けられ、交通の要衝として重要な役割を担っていました。

元弘2年（1332年）には、元弘の変で敗れた後醍醐天皇を奪還しようと児島高徳が決起した地でもあり、その志を偲ぶ石碑が残されています。

現在でも、船坂峠は両県、ひいては近畿地方と中国地方の文化的な境界としての役割を担っています。この峠を西に越えると、方言が播州弁から岡山弁へと大きく変化することからも、その影響を見て取ることができます。

山陽本線にとっては急勾配の難所であり、バイパス線として赤穂線が建設される要因にもなりました。

新国道2号の峠付近は、岡山県内では交通事故の名所として知られています。

通過する交通路

鉄道

西日本旅客鉄道（JR西日本）山陽本線が、船坂トンネル（下り線）と新船坂トンネル（上り線）で峠を通過しています。

船坂トンネルの神戸方出入口には、近畿統括本部と岡山支社の境界標が設置されています。この境界は、国鉄時代から大阪鉄道管理局と岡山鉄道管理局の局界として存在していました。

上郡駅 - 三石駅間は約10 km以上離れており、JR西日本の在来線では最長距離の駅間となっています。山陽本線では同区間を通過する列車は和田岬線に次いで少ないです。

道路

国道2号（船坂トンネル）
旧道（歩行者・自転車専用道路。昭和30年に船坂トンネルが開通するまでは国道だった）
旧山陽道（未舗装）

関連項目

日本の峠一覧

外部リンク

* 国道2号 児島高徳：後醍醐天皇奪還の道

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