芍陂の役

芍陂の役（しゃくひのえき）

芍陂の役は、中国の三国時代にあたる241年に、魏と呉の間で展開された重要な戦争です。この戦いは、戦局の中心が芍陂にあったことから名付けられました。呉の帝、孫権は、四方向から魏を攻撃する計画を立て、実際には揚州と荊州という二つの方面からの同時攻撃を行いました。

戦の背景

241年の春、呉の零陵太守・殷礼は、若き魏帝曹芳の即位直後であることから、今が魏に攻撃を仕掛ける絶好の機会であると感じました。そこで、彼は孫権に対して、強力な兵を集め、蜀と連携して長安方面に出兵する計画を提案しました。この作戦は、魏の動揺を誘い、戦局が好転することを期待したものでした。尽管、孫権はこの拘束を承諾しなかったものの、大規模な出兵を決めました。

戦闘の進展

241年の夏4月、孫権は曹魏に対する攻撃を開始しました。具体的には、揚州と荊州の二方面からの進軍が行われました。それぞれの方面では、全琮や諸葛恪、朱然などの名将が軍を率い、戦闘が展開されました。

揚州方面の戦闘

揚州では、魏軍が巣湖や寿春を前線基地として配置し、諸葛恪が六安を攻撃しました。この時、魏側の文欽が迎撃に当たり務めましたが、全琮軍が寿春に侵攻し、堤防を決壊させ、物資を略奪しました。戦闘の中で、全琮の部下である秦晃は多くの敵を討ち取りますが、最終的には魏軍が反撃し戦線を維持しました。

5月には、孫権の皇太子・孫登が死去するという不幸もあり、戦局が厳しくなりました。6月には呉軍が撤退する事態に至りました。

荊州方面の戦闘

一方、荊州方面では朱然が樊城を包囲していました。魏の刺史・胡質が援軍を率いて樊城に向かうも、包囲は続きました。5月には、軍の状況が厳しく、呉軍は包囲を強化していきましたが、内部の混乱も影響し、朱然は樊城から撤退します。

戦後の影響

この戦争の後、魏は国力を増強する努力を始めました。水軍の整えや農業の開発など、多角的に備えを強化しました。一方、呉も対抗を続ける中で、他の地域を攻撃し続ける状況が続きました。

このように、芍陂の役は単なる戦闘ではなく、戦局全体に大きな影響を与え、三国間の動乱の様相を一層複雑にした出来事でした。

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