芥正彦

芥 正彦の生涯と業績

概要

芥正彦（あくた まさひこ、1946年1月7日生まれ）は、日本の多岐にわたる才能を持つ芸術家であり、俳優、劇作家、演出家、舞踏家、詩人、さらには音楽プロデューサーとしても活動しています。彼は劇団ホモフィクタスの主宰者でもあり、本名は斎藤正彦です。学生時代には東京大学にて全共闘の活動家としても知られ、「東大全共闘随一の論客」としての地位を築いていました。

来歴

東京都に生まれた芥は、埼玉県立浦和高等学校を卒業後、大学入学のために一年間浪人生活を送りました。1965年には東京大学文科III類に入学し、在学中には全学共闘会議のオーガナイザーとして活動しつつ、劇団駒場でアングラ演劇運動を牽引しました。彼はこの期間に、女子学生と結婚し、私生活でも多忙な日々を送ります。

1967年には藤森黎子と共に劇団駒場を立ち上げ、ここで初めての作品「太平洋戦争なんか知らないよ」を発表し、演出デビューを果たします。この作品に続き、1968年には「Oh! Yellow Submarine」や「誕生パーティー」を制作し、これら三作品は『輝く私生児三部作』と呼ばれました。

1969年5月には、寺山修司と共に演劇理論誌『地下演劇』を刊行し、日本の劇壇における重要な理論的試みを開始します。さらに、この年の5月には三島由紀夫との公開討論会に全共闘側として参加し、大学の荒廃したイメージを払拭するために独自の授業を提案しました。この討論会への参加は、彼の大学生活の大きなターニングポイントとなり、その後、彼は除籍されることになります。

舞台と革命

討論会の後、芥は大学を去ると、劇団活動に専念し、1970年には地下演劇No2で「劇団駒場」を発表しました。また、同年には街頭演劇を開始し、社会問題に対する鋭い視点を表現しました。特に1970年11月、三島由紀夫の自死の瞬間に居合わせたことは、彼に深い影響を与えました。

続けて、1978年には中島葵と共にホモ・フィクタスACT & AOI劇団を結成し、現代演劇においてもエネルギッシュに活動しました。その後も裁判沙汰に巻き込まれるなど、波乱万丈な歴史をたどりますが、1985年には現代演劇協会との裁判に勝訴し、名誉を回復しました。

現在の活動

1999年には江戸糸あやつり人形の公演『アンチェイン・マイ・ハート』が衝撃を呼び、2006年には演劇論『アポカリプスの喇叭』を発表。さらに、2009年には朗唱パフォーマンスを通じて、ジャルート・アルトーへのオマージュ作品を上演するなど、芸術の最前線で活動を続けています。

近年には、Radio JAGに登場したり早稲田大学での講演会に参加したりと、ますます多様なプラットフォームでの表現が行われており、50年以上にわたる彼の芸術的活動は、今なお観る者に強烈な印象を与えています。彼の創作物は公式ホームページやYouTubeで公開され、さらに新作の創造が期待されています。

作品一覧

多彩な活躍を見せる芥正彦の作品には、演劇、詩、音楽などが含まれ、特に以下の作品が挙げられます。

• - 演劇作品: 輝く私生児三部作、地下演劇誌、街頭演劇など
• - 映画作品: 「もっともあぶない刑事」「コンセント」「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜」など

彼の活動は、演劇の可能性や社会との関係性への挑戦として、今後も注目され続けることでしょう。

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