芦原英幸

芦原英幸の生涯と功績

芦原英幸（あしはら ひでゆき、1944年12月4日 - 1995年4月24日）は、日本の空手界に多大な影響を与えた武道家です。広島県佐伯郡能美町に生まれた彼は、幼少期より他者に頭を下げることを嫌い、プライドが高い性格でした。そのため、一部からは「ワル」とレッテルを貼られ、ちょっとしたことでケンカになることが多かったと言います。学校時代は普通の子どもでしたが、後に彼の強情さや頑固さが、空手家としての道に繋がることになります。

彼が空手と出会ったのは、小学校5年生の頃。隣家の息子が空手を学び帰省しており、庭での稽古を目にしたのが始まりです。しかし当時はいたずらやケンカに夢中だったため、実際には興味を持つことはありませんでした。その後、中学では剣道を習いましたが、高校卒業後に単身上京し、自動車修理工場で働く傍ら、1961年に空手道・大山道場に入門しました。この道場は、厳しい実戦的な稽古が行われており、芦原はすぐにその魅力に引き込まれていきます。

無期禁足処分からの復活

極真会館への移行後、芦原は本部指導員として活躍しますが、その数ヶ月後、ある暴力事件を起こしてしまいます。これにより無期禁足処分を受けることになります。彼は自らの行動に深く反省し、廃品回収業に従事することになりました。そして厳しい自己反省の中、新たなスタートを切る決意をします。

禁足処分が解かれた後、愛媛県に出向き、極真会館四国支部長に就任。1970年には道場を開設し、1979年には松山駅前に本部道場を完成。これにより地元での空手道の普及に努めていきます。

芦原会館設立と国際的な活動

1980年、芦原は大山倍達と対立し、極真会館を永久に除名されます。彼は新たに芦原会館を設立し、自身の流派を創始しました。その中で「サバキ」という技術を体系化し、「誰にもできるカラテ」という理念をもって活動を展開。国内外での指導や普及活動を積極的に行い、国際的な空手会派へと成長させました。

精神と闘病生活

1992年に筋萎縮性側索硬化症（ALS）を発病。しかし、体が自由に動かなくなる中でも、館長業務を続け、亡くなる日まで空手に情熱を注ぎ続けました。晩年には特に家族や弟子への思いを強く持ち続け、集大成とも言える言葉を残しています。最後に執筆した『いのちの言葉』は、彼の思いや教えが込められた作品として、多くの人々に影響を与えています。

人物像と影響

芦原英幸は、技術面でも精神面でも多くの弟子に影響を与えました。彼は空手道場の指導において、技術だけでなく、心の成長を重視しました。また、彼自身の人生を通じて、自分の足音で歩む事の重要性を教え続けました。弟子たちとの関係は時に厳しくもありましたが、彼の姿勢は多くの空手家に対する憧れの象徴となっています。

彼は空手道の発展に貢献し、空手家としての人生を全うした伝説的な存在であり、その教えは今も多くの人々に受け継がれています。

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