花の大障碍

『花の大障碍』

『花の大障碍』は、1959年7月19日に公開された日本映画で、大映東京によって製作され、大映が配給を担当しました。本作は、1955年に公開された『幻の馬』に続いて、競馬の障碍競走をテーマにした映画となっています。1950年代の東京競馬場や中山競馬場の映像が収められており、これらの映像は貴重な資料としても評価されています。現在（2015年時点）、本作を含む映像ソフトの販売は行われていません。

ストーリーの概要

物語は、競走馬「ハヤテ」の辛苦を描いています。ハヤテはデビュー当初、気性が荒く、伸び悩む成績によって日本ダービーの出場権を逃してしまいます。東北にある牧場でハヤテを育ててきた厩務員の村上平造は、無情な結果に心を痛める一方、馬主の小西に対して「ハヤテは必ず成功する」と訴え、売却の決断を思いとどまらせます。

次のレースで水木信吾という新しい騎手がハヤテに騎乗しますが、好展開からの失速により勝利を逃してしまいます。この結果に小西は堪忍袋の緒が切れ、ハヤテの売却を決意しますが、平造は愛する馬を手放すわけにはいかず、家族に何も告げずにハヤテを連れ出し逃避行に出ることを決めます。

平造の心配を知った娘の勝代は、息子の一馬と共に父を訪ねます。3人は、ハヤテが見事に柵を飛び越える光景に出会います。この出来事をきっかけに、平造はハヤテが障碍馬として大成できるのではないかという思いに至り、彼を障碍馬として訓練することを決意します。しかし、ハヤテは水を怖がる特性があり、いかにしてそれを克服するかが大きな課題となります。そこで平造と信吾はハヤテと共に厳しい訓練に励むことになります。

スタッフとキャスト

本作は、監督に島耕二、製作には永田雅一が名を連ねています。脚本は長谷川公之と島耕二が共同で担当し、撮影には小原譲治が起用されています。また、美術は仲美喜雄が手がけ、音楽は大森盛太郎が担当しました。主題歌はキングレコードから発表されています。

キャストには、村上平造役として志村喬、娘の村上花枝役として若尾文子、新進気鋭の騎手水木信吾役に川口浩、そしてその他多くの俳優が出演しています。

映画としての価値

『花の大障碍』は、感動的なストーリーを通じて、愛情や努力、挑戦の大切さを教えてくれます。また、競馬に関わる人々の情熱や苦悩が描かれており、見る者に深い感銘を与えます。映像のクオリティや当時の競馬風景も貴重であり、映画史における重要な作品として位置づけられています。

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