花ノ国明宏

花ノ国明宏（はなのくに あきひろ）

花ノ国 明宏（はなのくに あきひろ、1959年10月15日 - ）は、大阪府藤井寺市出身の元大相撲力士です。本名は野口 明宏（のぐち あきひろ）。放駒部屋（入門時は花籠部屋）に所属し、最高位は東前頭筆頭（1989年11月場所）でした。身長185cm、体重148kg、血液型はB型。右四つ、寄り、上手投げを得意としていました。

生涯

相撲好きの父親の影響で幼少期から相撲に親しんだ花ノ国は、藤井寺市立道明寺中学校を卒業後、1975年3月場所に花籠部屋から初土俵を踏みました。横綱輪島の付け人を務めながら力をつけ、重い腰を生かした四つ相撲で着実に番付を上げていきました。

1983年5月場所に新十両を果たしますが、その後幕下に陥落。1985年には師匠の不祥事（花籠事件）により放駒部屋へ移籍します。幕下での苦労を経て、1988年3月場所に新入幕を果たしました。三役には届かなかったものの、幕内中堅から上位で活躍し、1988年9月場所には敢闘賞を受賞。翌1989年9月場所には横綱北勝海を破る金星を挙げました。小錦とは相性が良く、一時互角の成績を残しましたが、その後は勝つことができませんでした。

1990年3月場所には、千代の富士の通算1000勝目の対戦相手となり、相撲史にその名を刻むこととなりました。この際、花ノ国は「自分の名前が歴史に残るのは、ついてない」と苦笑混じりに語ったと伝えられています。また、大鵬の46連勝を止めた一番の対戦相手でもあります。やくみつるには「千代の富士に1000勝目を献上した力士」として皮肉交じりにネタにされましたが、結果的に年寄ではなく若者頭として協会に残りました。

晩年は肘の故障などもあり、幕内と十両を行き来した後、幕下に陥落。1994年9月場所後に引退し、若者頭に転向しました。2024年9月場所後に65歳で定年退職しています。

人物・エピソード

花ノ国は、その人柄から多くの人に愛され、インターネット掲示板では「史上最強の若者頭」と話題になるほどでした。千代の富士の1000勝目の相手としての記事が掲載された際には、「記事、ちっちゃいな～」と冗談交じりに語ったというエピソードも残っています。花籠事件で角界から除名同然となっていた輪島を慕い続けるなど、義理堅い一面も持ち合わせていました。現役時代の稽古では、80kgのダンベルカールをこなすなど、その身体能力も高く評価されていました。

主な成績・記録

• - 通算成績：605勝593敗21休 勝率.505
• - 幕内成績：159勝189敗12休 勝率.457
• - 現役在位：117場所
• - 幕内在位：24場所
• - 三賞：1回（敢闘賞：1回 1988年9月場所）
• - 金星：1個（北勝海1個）
• - 各段優勝：幕下優勝：1回（1985年3月場所）
• - 対横綱戦：1勝20敗（北勝海1勝）
• - 対大関戦：4勝26敗（小錦3勝、朝潮1勝）

改名歴

• - 野口 明宏（のぐち あきひろ）1975年5月場所-1978年5月場所
• - 大三杉 明宏（おおみすぎ-）1978年7月場所-1982年3月場所
• - 花乃国 明宏（はなのくに-）1982年5月場所-1984年11月場所
• - 野口 明宏（のぐち-）1985年1月場所-1985年3月場所
• - 花乃国 明宏（はなのくに-）1985年5月場所-1986年7月場所
• - 花ノ国 明宏（はなのくに-）1986年9月場所-1994年9月場所

脚注

• - 大相撲力士一覧

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