花房幸次

花房幸次（はなぶさ よしつぐ）

花房幸次は江戸幕府の旗本であり、備中猿掛領の第2代領主として知られています。また、第7代の山田奉行も務めた重要な政治家でした。彼の一族には、日野資栄などの親族がいます。

生い立ちと初期の経歴

幸次は天正9年（1581年）、備前の戦国大名である宇喜多氏の家臣である花房正成の長男として誕生しました。祖父から「幸」の字を賜り、幸次と名付けられました。彼の若い頃からの経験は、後の政治活動に大きな影響を与えました。

大坂の役とその後

慶長19年（1614年）には、大坂冬の陣で徳川家康に従い、翌年の夏の陣では永井直勝に仕えました。この戦いでの貢献が後の地位向上に寄与したと考えられます。元和9年（1623年）には、父の死去に伴い家督を相続し、領地を治めることとなりました。

所領と奉行としての活動

寛永2年（1625年）、行われた検地により、幸次は自身の所領から6,059石を得ました。そして、寛永3年（1626年）からは御使番に任命され、その職務を遂行しました。この時期には、幕府の政策に従い、地域の発展にも貢献しました。

寛永8年（1631年）、彼は山田奉行に転任しました。寛永10年（1633年）には、役領として伊勢国内の所領が3,000石増加し、合計で9,059石となりました。この年、二見郷を伊勢神宮に寄進することを将軍徳川家光に提案し、地域と神社の関係を強化しました。

その後、幸次は九鬼氏が横領していた6村、2,132石の所領を神領に復帰させるなど、地域を守るための改革も行いました。さらに、その前任者である岡田善同が始めた山田奉行所の移転を進め、寛永12年（1635年）には役所を度会郡有滝村から小林村へと移動させ、翌年には船蔵も移転することでその計画を完成させました。

最晩年と遺産

寛永18年（1641年）4月20日、江戸にて61歳で亡くなりました。幸次の死後、三男の幸昌が家督を継ぎ、彼の政策や地域への貢献は後の世にも影響を与えました。同年には彼を顕彰するため、二見郷に供養碑が建立され、地域の歴史にその名が残ることとなりました。

花房幸次は江戸幕府の旗本として、地域発展に尽力した重要な人物です。彼の行動は、江戸時代の政治と地域社会における執行のあり方に影響を与え、多くの人々に敬愛されたことでしょう。

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