花瀬

花瀬（はなぜ）

鹿児島県錦江町を流れる雄川（別名：花瀬川）の川面を中心とした景勝地、花瀬。

特徴

幅100メートルにも及ぶ平坦で滑らかな岩盤が、2キロメートルにわたって続いています。この岩盤は、所々に割れ目があり、水量の多い時期には、その割れ目を流れる水が白い波を立てる様子が、まるで花が咲き乱れているように見えることから、「花瀬」と名付けられました。

この独特な景観は、約11万年前に阿多カルデラから噴出した阿多火砕流が、肝属山地に阻まれ厚く堆積し、溶結凝灰岩の岩盤となったことによって形成されました。

周囲は緑豊かな木々に囲まれており、フジ、サクラ、カエデ、ツツジなど、四季折々の花々が咲き誇る名所としても知られています。特に花の季節には、多くの観光客が訪れます。

また、周辺は花瀬公園として整備されており、毎年4月には花瀬公園祭が開催され、地域住民や観光客で賑わいます。

歴史

花瀬は、江戸時代以前から景勝地として知られ、多くの人々が訪れていました。岩盤の割れ目を流れる水を利用して、曲水の宴が催されたこともあります。

1853年（嘉永6年）には、薩摩藩主の島津斉彬がこの地を訪れ、その記念として松が植えられました。

1977年（昭和52年）6月には、県立自然公園に指定され、翌年からは花瀬公園の整備が開始されました。そして、1984年（昭和59年）5月15日には、田代町指定文化財（史跡）にも指定されています。

見どころ

岩盤の景観：幅100メートル、長さ2キロメートルにわたる広大な岩盤は圧巻です。特に水が流れる時期には、岩盤の割れ目から白い波が立ち、花が咲き乱れるような美しい光景が見られます。
四季折々の花：春には桜、フジ、ツツジ、秋には紅葉など、四季折々の花々を楽しむことができます。
花瀬公園：花瀬公園として整備されており、散策路や休憩所などが設けられています。毎年4月には花瀬公園祭が開催され、多くの人で賑わいます。
歴史的背景：江戸時代から景勝地として知られ、薩摩藩主も訪れた歴史ある場所です。

アクセス

詳しいアクセス方法については、関連の観光情報サイト等でご確認ください。

参考文献

田代町教育委員会編『新編田代町郷土誌』田代町、2005年
橋口兼古、五代秀堯、橋口兼柄『三国名勝図会 巻之46』1843年

花瀬は、自然の美しさと歴史的価値を兼ね備えた、訪れる人々を魅了する場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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