芸道一代

「芸道一代」は、1967年9月25日に発売された美空ひばりの楽曲です。この曲は、ひばりの芸能生活20周年を記念して制作されたアルバム『歌は我が命』に収録されていました。

この曲は、芸の道に生きる女性の心情を歌ったもので、歌詞の内容が、ひばりと二人三脚で芸能界を歩んできた母である加藤喜美枝の姿と重なると言われています。そのため、喜美枝はこの曲をひばりの持ち歌の中で特に気に入っていたそうです。

ひばり自身もこの曲を非常に大切にしており、数多くのステージやライブで披露しました。1981年には、芸能生活35周年を記念した日本武道館でのライブで、当時病床で危篤状態にあった母に、涙ながらにこの曲を捧げました。

さらに、1988年7月29日に開催された第15回広島平和音楽祭では、祥月命日を迎えた母への「心の供養」として、この曲を歌唱しました。当時、ひばりは両側大腿骨骨頭壊死と慢性肝炎で約3か月の入院生活を終えたばかりで、体調は万全ではありませんでした。東京ドームでの復活公演を終えた直後で、ステージの階段を一人で上るのも困難な状況でしたが、それでもこの曲を含め、「一本の鉛筆」「人生一路」「愛燦燦」など数々の名曲を熱唱しました。

「芸道一代」は、1967年の「第18回NHK紅白歌合戦」でも歌唱されました。この時、ひばりは5年連続となる紅組のトリ（大トリ）を務め、その歌声は多くの視聴者の心を捉えました。

この曲の収録曲は以下の通りです。

1. 芸道一代
作詞：西條八十、作曲：山本丈晴、編曲：佐伯亮
2. ひばりの子守唄
作詞：三浦康照、作曲・編曲：市川昭介

「芸道一代」は、美空ひばりの代表曲の一つとして、今もなお多くの人に愛され続けています。彼女の歌声と、母への深い愛情が込められたこの曲は、聴く人の心を揺さぶり、感動を与え続けています。


関連情報として、1967年の音楽シーンを語る上でも欠かせない楽曲です。

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