苅田中継局

苅田中継局

苅田中継局（かんだちゅうけいきょく）は、福岡県京都郡の苅田町に設置されているテレビ放送の中継局です。この中継局は、地域住民の受信環境の向上を目的として設置されました。

概要

苅田町は、いわゆる「電波銀座」として知られる地域に位置していますが、地元の主な送信所であった大坂山と皿倉山からは距離があり、さらに平尾台が町の西側に位置しているため、これらの送信所からの電波が十分には届きにくいという課題がありました。そこで、当地に中継局を設けることが住民の強い要望として挙がり、設置される運びとなりました。

かつては廃止されたアナログ局の一部が気象条件の影響で混信を引き起こす問題もありました。このように、地域特有の地理条件があり、放送を受信する上での様々な問題が存在していたのです。

所在地

苅田中継局は、向山公園内に位置しています。公園自体は町営で、豊かな自然とスポーツ施設が整備されています。ただし、送信所のエリアについては保安上の理由から一般の立ち入りが制限されています。

歴史

この中継局の歴史は長く、1969年のNHK北九州放送局によるアナログテレビ放送の開始から始まります。その後、1975年には九州朝日放送、RKB毎日放送、福岡放送、テレビ西日本も放送を開始しました。1996年にはティー・エックス・エヌ九州（現在のTVQ九州放送）がアナログテレビ放送を開始しました。

2008年5月には、九州総合通信局から7局のデジタルテレビジョン放送に関する予備免許が交付され、同年7月1日にはデジタルテレビ放送の本放送が開始されました。2011年7月24日には、アナログテレビ放送が終了し、その後もデジタルテレビ放送は進化を続けていきました。特に、NHK北九州においては、チャンネルのリパッキング作業が行われました。

チャンネルと出力

苅田中継局では、デジタルテレビ放送が行われています。この中継局は、福岡県内のデジタル中継局の中では比较的高出力であり、リパッキングにより影響を受ける世帯が多かったため、移行期間中はサイマル送信方式が採用され、両方のチャンネルで同時に送信されていました。

放送エリア

主な受信エリアとしては福岡県京都郡苅田町、北九州市小倉南区、行橋市の一部が含まれています。しかしながら、沖合に位置する北九州空港（その南側半分が苅田町に属しています）には信号が届かず、周辺の大出力局からの電波が直に受信されています。このように、苅田中継局は地域社会における放送需要を満たす重要な役割を果たしています。

もう一度検索