平尾台
平尾台
平尾台は、福岡県北東部に位置し、北九州市、行橋市、田川郡、京都郡にまたがる、標高370～710mの結晶質石灰岩からなるカルスト台地です。台地面の面積は約12km²に及びます。ただし、東北部の一部はカルスト地帯ではなく、花崗閃緑岩で構成されています。小倉南区には「平尾台」という地名も存在します。この地域は国の天然記念物にも指定されており、その特異な景観は多くの人々を魅了しています。
特徴
平尾台は、標高こそそれほど高くありませんが、気候は北九州市街地と比較して寒冷です。時には4月でも降雪が見られることがあります。
台地の最高峰は貫山（712m）で、その周辺には400m～600m級の山々が点在しています。また、千仏鍾乳洞、目白洞、牡鹿洞、青龍窟など、数多くの鍾乳洞が存在し、大小さまざまなドリーネが広がる独特のカルスト地形を形成しています。平尾台は、秋吉台、四国カルストと並び、日本三大カルストの一つとして知られています。さらに、北九州国定公園にも指定されており、その美しい景観は訪れる人々を魅了しています。展望台からは、北九州市下曽根地区、苅田町の工業地帯、行橋市中心部、中津市、山口県を一望でき、天候によっては国東半島や姫島、由布岳・鶴見岳などの遠景も楽しめます。
半自然の草原景観を維持するため、毎年2月下旬から3月上旬頃には野焼きが行われます。この野焼きは、景観維持のために重要な役割を果たしていますが、1977年3月25日には、強風によって火が全山に燃え広がり、消防署員5名が殉職するという痛ましい事故も発生しました。この際には、小倉駐屯地の第40普通科連隊も消火活動に加わりました。
地名
平尾台は、複数の市町村にまたがる広大な地域であり、小倉南区の新道寺、木下、市丸、小森、呼野、貫、井手浦、苅田町の谷、法正寺、行橋市の千仏、内蔵、矢山、高来、福丸、徳永、入覚、みやこ町の勝山上矢山、勝山矢山、勝山浦河内、そして香春町の採銅所など、多くの地域が含まれています。北九州市では、2003年2月に新道寺の一部で住居表示が実施され、「平尾台」一丁目～三丁目の町名が設定されました。
観光
平尾台には、平尾台自然観察センターや平尾台自然の郷といった、無料で利用できる学習施設や行楽施設があり、ハイキングやピクニックに最適な場所です。貫山などの山は登山にも適しており、北九州市を代表する観光地の一つとして親しまれています。毎年夏には、平尾台観光祭が開催され、東大野八幡神社による安全祈願や花火大会、各種イベントなどが行われます。近年では、地元住民が中心となり、平尾台の魅力を発信するガイドツアーも実施されるようになりました。
名所・観光施設
イベント
2010年4月18日には、「北九州・平尾台トレイルランニング（トレラン）レース」が開催されました。このレースのコース設定は、トレイルランナーの石川弘樹が担当しました。
アクセス
乗合タクシー
平尾台観光タクシーが運行する乗合タクシー「おでかけ交通」が、3月20日から11月30日までの土日祝日に運行されています。
- - 運行ルート: 西鉄バス中谷営業所 - JR九州日田彦山線石原町駅 - 吹上峠 - 平尾台自然の郷 - 平尾台自然観察センター
- - 運賃: 大人: 中谷営業所から600円、石原町駅から500円。子供: 300円
- - 西鉄バス中谷営業所では、各路線バスおよび高速バス（なかたに号）への乗り換えが可能です。また、同営業所から小倉南バスストップ（小倉南IC併設）へは徒歩で乗り換えが可能です。
- - 運行期間外の日でも、9時から17時の間で、3人以上の利用予約があれば運行が可能です。
自動車
- - 福岡県道28号直方行橋線: 平尾台を通り、北九州市小倉北区（国道322号）と行橋市（国道201号・行橋IC）を結ぶ幹線道路です。
- - 国道322号現道（旧道）の「平尾台入口西」交差点、またはバイパスの「平尾台入口」交差点から県道28号線を東進します。
- - 国道201号・行橋ICからは県道28号線を西進します。
- - 最寄りのインターチェンジは、九州自動車道小倉南IC（上記の国道322号に接続）または東九州自動車道行橋ICです。
関連項目
外部リンク
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