若宮大路幕府

若宮大路幕府について

若宮大路幕府は、鎌倉時代の1236年（嘉禎2年）から1333年（元弘3年）までの約98年間、鎌倉幕府の将軍、いわゆる「鎌倉殿」の御所として機能した場所です。現在の神奈川県鎌倉市雪ノ下1丁目付近に位置しており、「若宮大路御所」とも呼ばれていました。

所在地と移転に関する諸説

若宮大路幕府が置かれる以前、幕府は宇都宮辻子北側に位置する宇津宮辻子幕府にありました。若宮大路幕府への移転については、北条泰時によって宇津宮辻子幕府の敷地内北側へ移されたとする説と、泰時自身の邸宅の一部に移されたとする説があり、正確な場所の特定は難しい状況です。また、所在地は同じものの、入口が若宮大路側に変更されたなど、詳細には複数の説が存在し、現在でもその全容は解明されていません。

現在、若宮大路幕府の跡地には石碑が建立されていますが、遺跡名としては「鎌倉市No.282 北条小町邸跡（泰時・時頼邸跡）」とされ、「若宮大路幕府」という名称の遺跡としては登録されていません。この点も、若宮大路幕府の所在地特定を困難にしている要因の一つと言えるでしょう。

移転の理由についても、確固たる根拠は確認されていません。一説には、4代将軍九条頼経の病気が移転の要因であったとも言われていますが、これもまた推測の域を出ません。

若宮大路幕府の終焉

若宮大路幕府は、1333年（元弘3年）の新田義貞による鎌倉攻めによって、鎌倉幕府とともに終焉を迎えました。この戦いによって、鎌倉幕府の長い歴史は幕を閉じ、若宮大路幕府もその役割を終えたのです。

関連情報

若宮大路幕府についてさらに深く知りたい方は、以下の関連情報を参考にしてください。

大倉[[御所]]: 鎌倉幕府の初期に将軍の御所が置かれていた場所。
宇津宮辻子幕府: 若宮大路幕府の前に幕府があった場所。
北條執権邸: 若宮大路幕府の移転に深く関わったとされる北条氏の邸宅。

参考文献

鎌倉市教育委員会：1996年（平成8年）～ 『鎌倉の埋蔵文化財シリーズ」』鎌倉市
鎌倉市教育委員会：1996年（平成8年）「1.中央平野部の遺跡群」『鎌倉の埋蔵文化財 1 昭和54年～平成7年分発掘調査選集』p.4
高橋慎一朗：2005年（平成17年）「①将軍御所の記憶」『武家の古都、鎌倉』（日本史リブレット21）pp.6-28 山川出版社

これらの文献は、若宮大路幕府に関する研究や発掘調査の結果を詳細に伝えており、より深く理解するための資料として役立つでしょう。

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