茨城県立下館第一高等学校・附属中学校

茨城県立下館第一高等学校・附属中学校

茨城県立下館第一高等学校・附属中学校は、茨城県筑西市下中山に所在する公立の共学校です。地域では「館一（だていち）」あるいは「館高（だてこう）」の通称で親しまれています。高等学校には全日制課程の普通科が設置されており、2020年度からは附属中学校が開設され、併設型の中高一貫教育を提供しています。

歴史と変遷

本校の歴史は、1922年（大正11年）11月に創立された茨城県下館商業学校に始まります。当初は商業科のみを設置していましたが、1928年（昭和3年）には県立移管により茨城県立下館商業学校と改称されました。その後、1944年（昭和19年）には茨城県立下館工業学校が新設され、電気科と電気通信科が設けられました。戦後の学制改革を経て、1946年（昭和21年）には商業学校と工業学校が統合され、旧制の茨城県立下館中学校として再編。さらに1948年（昭和23年）の学制改革により、男女共学の茨城県立下館高等学校となり、普通科、商業科、電気科、電気通信科に加え、定時制課程が設置されました。1949年（昭和24年）に現在の校名である茨城県立下館第一高等学校に改称。時代の変化とともに学科構成も見直され、1962年（昭和37年）には茨城県立下館工業高等学校の開校に伴い電気科と電気通信科の募集を停止、1972年（昭和47年）には茨城県立鬼怒商業高等学校の開校により商業科の募集も停止され、普通科主体の学校となりました。かつて存在した定時制課程は2008年（平成20年）に募集を停止し、閉課程となっています。

教育理念と特色

学校では「文武両道」を教育の柱に据え、生徒一人ひとりの豊かな人間性を育み、深い知性と健やかな心身を養うことを目指しています。自主自立の精神を涵養し、グローバルな視野を持ちながらも地域社会に貢献できる「グローカル（Global＋Local）」人材の育成を目標としています。2020年度に附属中学校が開設されたことで、中高一貫教育の利点を活かした、より系統的で充実した教育プログラムが展開されています。

活発な学校活動

学業だけでなく、特別活動も非常に盛んです。文化部では文芸部が全国高校生短歌大会（短歌甲子園）において、団体の部で全国最多となる3回の優勝（2010年、2017年、2018年）を誇るなど、高い実績を残しています。また、俳句甲子園でも全国大会準優勝の経験があり（2005年）、ディベート甲子園関東甲信越大会での優勝実績もあります。運動部・文化部ともに多様な部活動があり、多くの生徒が所属しています。近年では、陸上競技、剣道、ライフル射撃、弓道、吹奏楽、放送、写真、書道などが関東大会や全国大会に出場しており、幅広い分野で生徒たちが活躍しています。特に、ライフル射撃部や放送部、文芸部は複数年にわたり全国大会に出場し、顕著な成果を上げています。

国際交流

国際理解教育にも力を入れており、海外の学校との姉妹校提携を進めています。2014年には、卒業生が橋渡し役となり、カナダのシアコム高校と姉妹校となりました。さらに2018年には、台湾の台北市私立開南高級商工職業学校とも姉妹校提携を結んだほか、大華大学、世界高校、大成高校といった台湾の教育機関とも国際交流に関する友好的な連携を築いています。

校歌・応援歌

校歌は、詩人の西條八十が作詞し、作曲家小松耕輔が作曲を手がけています。美しい旋律と歌詞は、理想を追求し、たゆみなく進む若者の姿を描いています。また、伝統的な応援歌も複数あり、特に第一応援歌は、旧制第一高等学校の寮歌「アムール川の流血や」を原曲としており、力強い旋律で学校の士気を高めています。

著名な卒業生

各界で活躍する多くの卒業生を輩出しています。主な出身者には、同志社大学名誉教授・元総長で刑法学者の大谷實氏、プロ野球選手として活躍し後に市議会議員も務めた田宮謙次郎氏、元ボクシングWBC世界ライトフライ級王者の中島成雄氏、東京大学名誉教授で数学者の谷島賢二氏、オリンピックに出場したライフル射撃選手の柳田勝氏、ノンフィクション作家の中丸美絵氏、駐バチカン特命全権大使を務めた岡田誠司氏、筑波銀行代表取締役会長の植木誠氏、声優の巻島直樹氏、宝塚歌劇団宙組男役の聖叶亜氏などがいます。

本校は、創立以来の歴史と伝統を大切にしながら、時代に即した教育を展開し、グローバル社会に貢献できる人材の育成を目指しています。

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