茶音頭

茶音頭（ちゃおんどう、ちゃおんど）

『茶音頭』は文化文政期に京都で活動していた盲人音楽家、菊岡検校によって作曲され、八重崎検校が箏の指導を行った手事物の地歌曲です。この楽曲は「茶の湯音頭」とも呼ばれ、茶道との深い関わりを持っています。

概要

『茶音頭』は、俳人の横井也有が詠んだ「女手前」の歌詞を元にしています。内容は多くの茶道具を織り交ぜながら、男女の心のつながりが続くことを願うものです。この曲では特に、三味線の調弦が「六下がり」という一風変わったスタイルで、独特な音色を生み出しています。そのため、曲全体が持つ雰囲気が他の楽曲とは異なり、非常に魅力的です。

さらに、歌の旋律も工夫が凝らされている一方で、手事が比較的長く設計されており、八重崎検校の箏の演奏も見事です。これにより、合奏音楽としての完成度が高く、演奏会で頻繁に取り上げられる名曲となっています。また、茶の湯の手前で伴奏として奏でられることも多いです。

振り付け

もともと『茶音頭』は純粋な音楽作品でしたが、後年になって「上方舞」や地唄舞などで振り付けが施されるようになりました。これにより、特にさまざまな流派が『茶音頭』の振り付けを行い、袱紗を使ったり茶道の所作を取り入れたりするなど、独自の特徴が加えられています。このような舞は多くの人に愛され、今でも好んで演じられています。

六下がりの調弦

菊岡検校が『茶音頭』の作曲にあたって使用した「六下り」の調弦は、非常に特殊で興味深いものです。この調弦方法は、三味線の第3弦を基準に、約4度音を下げることから名付けられました。このため、最終的には第1弦から6つ目の音に達します。また、この六下りは実際には一般的に三下りから3律下げることが多いものの、名称が残っています。

関連項目

• - 箏曲
• - 三曲
• - 三分損益法
• - 茶
• - 茶道

『茶音頭』は、これらの要素が組み合わさって成り立っている楽曲であり、茶の湯文化や日本の伝統音楽と深く結びついています。その独自の魅力が多くの人々に愛され続ける所以です。

もう一度検索